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スイミング・プール』で強く感じた他の映画にはない独特の雰囲気で、個人的注目度が高まっていたフランソワ・オゾン監督。おそらく本作が彼の代表作だろうと思いチョイス。

 
『スイミング・プール』もそうだったが、色使いが素晴らしい。冒頭、長女シュゾン(ヴィルジニー・ルドワイヤン、ピンクの衣装が似合う)がクリスマスに実家の屋敷に帰ってくるシーンからして既にワクワク感が高い。

しかし、間もなくすると、次女カトリーヌ(リュディヴィーヌ・サニエ)をセンターに、シュゾンと母ギャビー(カトリーヌ・ドヌーヴ)の3人で歌って踊り出す。
なんなんだ、この微妙な歌と踊りは……汗

要は、ミステリーをベースとしつつ、ミュージカル的な味付けを随所に散りばめているのだ。
そもそも、私自身がミュージカルが苦手ということもあるが、それを差し引いても、「すごいところ攻めたな、フランソワ・オゾン」と逆に感心するほどの微妙さ加減。

ミステリー調なのは決して悪くないのだが、途中から緊迫感が薄れ、下手な推理合戦になるのが興を削いだ。

以下、ネタバレあり。

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豪華な女優陣をほこる本作。出てる女優さん個々はもちろん悪くないのだが、こんなに濃い人たちが大勢いると胸焼けを起こす。

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左からメイドのルイーズ(エマニュエル・ベアール)、ギャビー、シュゾン。

ギャビーを演じるカトリーヌ・ドヌーヴは確かに存在感はあるが、日本って、ある程度の歳を召した女性が胸元ドーンという衣装を着ないからどうも慣れておらず、ついつい軽く引いて見てしまう。

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ギャビーとピエレット(ファニー・アルダン)のおばちゃん二人によるこのキスシーンはコメディでしかない。ようやるわ。

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カトリーヌとシュゾンの姉妹が、アクの強い他の女優達の緩衝材となってくれることを期待したが、そうはならず。

前半は魅力的に見えたシュゾンだが、後半は尻すぼみで影薄い。
カトリーヌのキュートさも、冒頭を含めたミュージカルシーンと、推理合戦の首謀者たる地位に躍り出ることで相殺されてしまい残念。

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その中で唯一の救いがエマニュエル・ベアール演じるルイーズ。
終始冷た目な態度に貫かれ、後半女をむき出しにしはじめてからはさらに魅力アップ。
ただし、わざとそばかすっぽいメイクをしているようで、ナイスバディは健在だったが、さすがに歳を感じた。

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観終ってから知ったことだが、本作はもともと舞台用の作品だという。そう言われると、こういった構図は舞台っぽいなと。美術面は見るべきところ多い。

 
たいして長くない尺に、人間関係のいろんな要素を欲張りに盛り込み過ぎたため、忙しない上にリアリティも希薄で微妙に感じられた。
父親が結局自殺するのも、なんだかなーと。

『スイミング・プール』は良い意味での不思議さ、ミステリアスさに満ちていたが、本作は、「なんでこうなっちゃんだろう」という違った不思議に満ちていた。

製作: オリヴィエ・デルボスク / マルク・ミソニエ
監督: フランソワ・オゾン
脚本: フランソワ・オゾン / マリナ・ド・ヴァン
原作: ロベール・トーマ
撮影: ジャンヌ・ラポワリー
美術: アルノー・ド・モルロン
音楽: クリシュナ・レヴィ
衣装: パスカリーヌ・シャヴァンヌ
出演: ダニエル・ダリュー(Mamy, Grandma) / カトリーヌ・ドヌーヴ(Gaby, Mom) / イザベル・ユペール(Augustine, Gaby’s younger sister) / エマニュエル・ベアール(Louise, maid) / ファニー・アルダン(Pierrette, sister of dad) / ヴィルジニー・ルドワイヤン(Suzon) / リュディヴィーヌ・サニエ(Catherine, younger sister) / フィルミーヌ・リシャール(Chanel, fat maid) / ドミニク・ラミュール(Marcel, the husband)
配給: ギャガ(日)
公開: 2002年2月6日(仏)、2002年11月23日(日)
上映時間: 111分
 
【世間の評価】 ※2016.7.4時点
CinemaScape: 3.7/5.0 (208人)  
Yahoo! 映画: 3.85/5.00 (165人)
IMDb: 7.1/10.0 (23,574人)
Rotten Tomatoes(Critics): 7.0/10.0 (124人)
Rotten Tomatoes(Audience): 3.6/5.0 (22,770人)
 
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