clockworkorange

久しぶりに見返えした。

内容はほぼ憶えていなかったが、尺が2時間は超えていること、そして、強烈な描写があることだけは覚えていたので、そのうち精神的に元気な時に見ようと思っているうちに、知らず知らず時間が過ぎていた。
人生そんなもの。

おそらく五年間は観ていないだろう。
ほぼ、初見のような気持ちで見ることができた。

冒頭でいきなり登場するミルクバーだったり、主人公アレックス(マルコム・マクダウェル)の自宅の内装だったり、美術へのこだわりが強い。
ある種、「2001年宇宙の旅」に通じるものがある。

暴力シーンや、レイプシーンは、ほかの映画を探せばいくらでももっとひどい描写のものはあるだろうが、アレックスの片目だけのつけまつ毛だったり、メイクだったり、衣装だったり、さらには思想の浅はかさ、かつ微妙に非現実な感じが、嫌悪感を掻き立てる。

本作の中でのアレックスへの矯正ではないが、自分も20代の退廃的な時代とは中身が変わって、まともな感覚になってしまいつつあるのかもしれない。ちょっと寂しく感じる。

 - ad -

ビディする(viddy、見る)、インアンドアウト、ライティライトなどなど、存在しない若者言葉を使わせるセンス。
あらためて調べてみるとこの言葉は、Nadsatと呼ばれるもので、ロシア語の影響を強く受けているとのこと。Nadsat一覧が載っているサイトもあった。

ベートーベン(アレックスは「ルドウィヒ」と呼ぶ)の「第九」や、ジーン・ケリーの「雨に唄えば」も、この映画で使われて、この映画のイメージがつくのは、アーティストや一部のファンからするとたまらなかっただろう。

アレックスらはクズだが、それを利用しようとする総理大臣含めた政治家もひどいってところで、エンディング。

救いがないのは全然構わないが、誰にも共感できず、羨ましくもなく、要はキューブリックの世界観にハマりきれなかったということだろう。

なお、オープニングとエンディングの強烈な色使いのロールが目に来る。
映画館で観ていたらたまらないだろう。

製作総指揮:マックス・L・ラーブ / サイ・リトヴィノフ
製作・監督・脚本:スタンリー・キューブリック
原作:アンソニー・バージェス
撮影:ジョン・オルコット
美術:ジョン・バリー
衣装:ミレーナ・カノネロ
出演:マルコム・マクダウェル、パトリック・マギー、マイケル・ベイツ、ウォーレン・クラーク、エイドリアン・コリー、オーブリー・モリス、ミリアム・カーリン、スティーヴン・バーコフ、ゴッドフリー・クイグリー、マッジ・ライアン、フィリップ・ストーン、アンソニー・シャープ、ポーリーン・テイラー、シェイラ・レイナー、クライブ・フランシス
製作会社:ポラリス・プロダクションズ、ホーク・フィルムズ
配給:ワーナー・ブラザーズ
公開:1971年12月19日(米)、1972年4月29日(日)
上映時間:137分