atonement

ジャケットに写るキーラ・ナイトレイの印象を強くもったまま観たが、観終わっても一番印象に残っていたのはやはり彼女だった。

 
多感な10代前半の少女ブライオニー(シアーシャ・ローナン)の嘘により、人生がめちゃめちゃになったロビー(ジェームズ・マカヴォイ)と、彼を想うセシーリア(キーラ・ナイトレイ)。
そこに戦争が始まって…

あるシーンを、最初はブライオニー目線で見せつつ、その後に同じ場面をセシーリアやロビー目線で見せるのが数カ所あり、最初は面喰らった。つなぎ方に”いかにも”っていうわかりやすさがないのは新鮮ではある。

本作はブライオニーによる「つぐない(原作では”贖罪”)」の話ではあるが、ロビーはロビーで、自分が手紙に書いた内容や、その手紙をセシーリアに直接手渡さず、その妹ブライオニーに託したことを後悔する気持ちもあったりして、ただのシンプルな話ではない。登場人物のモヤモヤ感も伝わってくる。

ブライオニーの想像上の場面だったり、致命傷を負い頭が朦朧しているからか、ロビーの言っていることが本当なのか妄想なのかかがわからない場面だったりがところどころに挟まれ、一筋縄ではいかない、脚本と演出。

以下、ネタバレも含みつつ、印象に残った箇所を振り返ってみる。

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独特の雰囲気を纏い、観る者を惹きつける役者、キーラ・ナイトレイ。
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セシーリアはこの緑の衣装も映えていた。
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上のドレスの後ろからのショット。背中の開き方がすさまじい。

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これが本当に当時の文化を捉えた衣装なのかはわからないが、キャップもついた白い水着。なかなかオシャレ。
なお、この写真には写っていないが、男性陣の水着がパンツだけでなく上半身も蓋うものだったことに驚いた。

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セシーリアがタバコを吸うシーンが何度か登場する。

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ロビーは、前半の影があるハンサムな役柄よりも、刑務所を出て戦場へ赴き、やつれきった姿へと変貌するギャップが光っていた。
後ろには、ロビーの一行がたどり着いた海岸Bray-Dunes(ブレ=デューン)に集結した多数の兵士が見える。
こんな大勢の兵士がいることには驚いた。馬もいたり、観覧車があったり、このシーンへの監督の思い入れの強さが伝わってきた。

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映画の中では、キーラ・ナイトレイの存在感には適わないが、こうして静止画で見ると強い魅力を感じるシアーシャ・ローナン。今後の活躍が楽しみな役者だなと思っていたら、なんとつい1週間ほど前に観た『グランド・ブダベスト・ホテル』でアガサを演じていた。なんたる偶然。

 
作品全体として振り返ると、全般的に暗いシーンが多いうえ、趣向は凝らしているものの、ストーリーの意外性やスリル、映像的な激しさはないため、油断すると眠くなる内容ではあった。

ラスト。歳をとり作家として成功していそうなブライオニー(ヴァネッサ・レッドグレイヴ)が、最後の著作として『つぐない』を上梓する。
テレビ番組に出演した際のコメントで、この本は事実にそっており、名前もすべて実名だと言う。ロビーもセシーリアも戦時中に亡くなっているが、その二人に楽しい思い出をプレゼントする意味で書き上げたと。

しかし、この本が本当に二人のためになり、二人が喜ぶ内容なのかが、テレビ番組での言葉ではどうにもピンと来なかった。もっとラストにグッと心を掴んでくれる言葉を期待していたので、やや期待外れのまま終ってしまった。

 
最後に、バージョン違いのチラシ・パッケージデザインを紹介。
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ギリシャ版。だいぶ印象が変わる。

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日本版。うーーん、どうにもダサい。

監督: ジョー・ライト
脚本: クリストファー・ハンプトン
原作: イアン・マキューアン『贖罪』(Atonement)
製作: ティム・ビーヴァン、エリック・フェルナー、ポール・ウェブスター
製作総指揮: ライザ・チェイシン、リチャード・エアー、ロバート・フォックス、デブラ・ヘイワード
出演: ジェームズ・マカヴォイ(ロビー・ターナー)、キーラ・ナイトレイ(セシーリア・タリス、シー)、シアーシャ・ローナン(ブライオニー・タリス、13歳)、ロモーラ・ガライ(ブライオニー・タリス、18歳)、ヴァネッサ・レッドグレイヴ(ブライオニー・タリス、老年)、ブレンダ・ブレッシン(グレイス・ターナー、ロビーの母)、パトリック・ケネディ(リーオン・タリス、セシーリアの兄)、ベネディクト・カンバーバッチ(ポール・マーシャル、リーオンの友人)、ジュノー・テンプル(ローラ・クィンシー、ポールに襲われ、ポールと結婚する娘)、アンソニー・ミンゲラ(Interviewer)、ハリエット・ウォルター(エミリー・タリス、セシーリアの母)、Felix von Simson(ピエロ・クィンシー)、 Charlie von Simson(ジャクソン・クィンシー)、ダニエル・メイズ(Tommy Nettle, mate at war)、ノンソ・アノージー(Frank Mace, mate at war)、アルフィー・アレン(Danny Hardman、worker for Talliss)、ピーター・ワイト、リアンダー・ディーニー、ジーナ・マッキー(Sister Drummond)、ミシェル・ダンカン(Fiona Maguire)、ジェレミー・レニエ(Luc Cornet, injured guy)
音楽: ダリオ・マリアネッリ
撮影: シェイマス・マクガーヴェイ
編集: ポール・トーシル
製作会社: スタジオカナル、レラティビティ・メディア、ワーキング・タイトル・フィルムズ
配給: ユニバーサル・ピクチャーズ(英)、フォーカス・フィーチャーズ(米)、東宝東和(日)
公開: 2007年9月7日(英)、2008年4月12日(日)
上映時間: 123分
製作費: $35,000,000
興行収入: $129,266,061
 
【世間の評価】 ※2016.12.9時点
CinemaScape: 3.6/5.0 (64人) 
Filmarks: 3.7/5.0 (3,240人) 
Yahoo! 映画: 4.05/5.00 (672人)
IMDb: 7.8/10.0 (196,800人)
Rotten Tomatoes(Critics): 7.4/10.0 (209人)
Rotten Tomatoes(Audience): 3.8/5.0 (226,071人)
 
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