bartonfink
いわずとしれた、コーエン兄弟による名作。
カンヌでもパルム・ドールを受賞している。

数年前に友人宅で観賞し、いたく気に入って、すぐにDVDを購入。
しかし、それ以降一度も観た記憶がなく、内容も曖昧になっていたので久しぶりに腰を据えて観てみることに。

本作で一番印象に残るのは、ネトっとした質感。

ホテルの隣人の、チャーリーを演じるジョン・グッドマンの笑顔。
そして、炎。
それに加えて、部屋の壁紙が暑さではがれてきて、それをなおそうとすると、壁と壁紙の間から湧き出てくる得体の知れない液体の質感。

独特な質感だ。

一方で、その対比なのだろうか、有名脚本家の秘書兼バートン(ジョン・タトゥーロ)の恋人役のオードリーを演じるジュディ・デイヴィスはとうもたっているし、サラっとしている印象。

以下、ネタバレあり。

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ジュディ・デイヴィスは、大量出血してベッドで死んでいるシーンでもサラサラしているように見える。
そういえば、象徴的に何度も映像に出てくるホテルの部屋に飾られている絵も、西海岸あたりのサラっとしたビーチサイドの印象。

バートンがチャーリーから預けられた包みも、観客はオードリーの首が入っていると想像するが、当の本人はまったく恐れる気配も見せず、炎に包まれるホテルからわざわざ持ち出す始末。
このバートンの態度によって、観ている側も、それに何が入っていようが恐れなくなる。

印象に残るシーンとして、バートンが脚本をようやく書き上げてダンスホールで踊りまくるシーンがある。そのダンスもなかなかの切れ味で素敵なのだが、その表情に、やりきった感が広がっていて、なんともいえず良い顔をしている。

観終わって、いろいろ感じるところは多いが、強烈なインパクトがあるわけではなく、じんわり後になって来るわけでもなく、何度も観たいような作品でもないことはわかった。

年齢による感受性の退化もあるだろうが、なぜ、一度目観た時にいたく感銘を受けたのか、今となっては謎ではある。

ちなみに、この映画はパルム・ドールをとったにもかかわらず赤字らしい。
まぁ、コーエン兄弟の名前もあるし、DVD/BDやら他のもろもろで収益は上げているのだろうが、ショービジネスの世界でわが道を行く大変さが伝わってくる。

製作総指揮:ベン・バレンホルツ / ジム・ペダス / テッド・ペダス / ビル・ダーキン
製作:イーサン・コーエン
監督:ジョエル・コーエン
脚本:イーサン・コーエン / ジョエル・コーエン
撮影:ロジャー・ディーキンス
美術:デニス・ガスナー
音楽:カーター・バーウェル
衣装:リチャード・ホーナング
特撮:ロバート・スパロック
出演:ジョン・タトゥーロ / ジョン・グッドマン / ジュディ・デイヴィス / マイケル・ラーナー / ジョン・マホニー / トニー・シャルーブ / ジョン・ポリト / スティーヴ・ブシェーミ
 
【世間の評価】 ※2016.1.30時点
CinemaScape: 3.5/5.0 (407人)  
Yahoo! 映画: 3.61/5.00 (122人)
IMDb: 7.7/10 (84,633人)
 
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