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DVDも持っているほど気に入っている「Before Sunrise(恋人までの距離)」の続編。昨日の『マッチ・ポイント』が思ったほどロマンスではなかったので、これでリベンジ。

 
あれから9年後。あの時の話を書いた本がヒットしてしたジェシー(イーサン・ホーク)がパリの本屋へサイン会的なものに訪れた際に、セリーヌ(ジュリー・デルピー)と再会する。

冒頭、二人ともに歳をとったことに驚かされる。ある意味普通の人のように、30代前半の容貌になっている。
これはメイクももちろんあるのだろうが、特にセリーヌの顔質がそう見せているのかもしれない。
どちらかというと童顔のジェシーも、眉間の皺や肌質から歳の経過を感じさせる。

前作と同じく、ほぼ二人の会話だけから映画は出来ている。

パリの街を歩きながら、時にベンチに腰掛け、船に乗り、タクシーに乗り…
二人の会話に注目してしまうが、風景や街の雰囲気も楽しめる映画なのだろう。

以下、ネタバレあり。

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お互いにとって、あの日がどれだけ特別な日で、9年前の12月に約束しておきながら再会できなかったことを、どれだけ悔やみ、引きずって来たのかが、少しずつ明らかになる。

ジェシーは破綻しつつあるとはいえ結婚しており愛する子どももいる。そのことで、セリーヌもあからさまに愛情を示すようなことはしないが、気持ちが抑えきれずぼろぼろとこぼれ落ちる。

あの時のような気持ちで向き合った人なんて、あれ以来お互いにいないのだ。

空港へ向かわねばならないのに、別れのタイミングを先延ばしにし、観光用の船に乗る。
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チラシやDVDのジャケットにも使われている船上の二人。光の具合が絶妙。

そして、船を降り、空港まで彼を送り届ける手はずとなっている車で、彼女を家まで送る。

ジェシーはセリーヌに1曲でいいから歌を聞かせてくれとお願いし、彼女も了承し部屋へ。部屋への螺旋階段を上がる二人の表情が絶妙。もう彼女は心を許しているのは明らか。
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そして披露するワルツの曲。吹き替えじゃないと信じたいが、シンプルながら良い曲。そして良い声。

もともとジュリー・デルピー推しの自分としては、彼女のビジュアル的な旬が過ぎたことは残念ではあったが、それがゆえに、彼女が演じるキャラクターの素敵さが素に感じられて、響くものがあった。
傷つく恐れもあるから全部をさらけ出すことはしないが、それでも自分の中に強く存在するジェシーへの好意を繊細に表現していく様は、愛おしかった。

ラスト、部屋でニーナ・シモンを流しながら、ジュリーがそれに合わせておどけつつ軽く踊っているところでの、エンディング。
この終わり方には虚を突かれたが、二人の関係性にはもう楔は打たれているのだから、これはこれで良い気がした。

本作が短いこともあるが、この映画単品での評価はしづらい。前作と併せて見ることで、評価できる映画だろう。

それにしても、二人の会話にはやたらセックスの話が登場する。これはこの二人ぐらいの間柄だったら普通のことなのだろうか。嫌な感じは決してしないが、不思議な感覚である。

なお、観終って初めて、本作の脚本をイーサン・ホークとジュリー・デルピーが担当していることがわかった。しかもジュリー・デルピーは音楽も担当。だからこその、あの会話。あの繊細さ。そして、あの音楽。

製作総指揮: ジョン・スロース
製作: リチャード・リンクレイター / アン・ウォーカー・マクベイ
監督: リチャード・リンクレイター
脚本: イーサン・ホーク / ジュリー・デルピー
原案: リチャード・リンクレイター / キム・クリザン
撮影: リー・ダニエル
音楽: ジュリー・デルピー
出演: イーサン・ホーク(Jesse) / ジュリー・デルピー(Celine) / ヴァーノン・ドブチェフ(Bookstore Manager) / マリー・ピレ(Woman in Courtyard) / アルベール・デルピー(Man at Grill with short pants) / Louise Lemoine Torrès(Female Journalist) / Rodolphe Pauly(Male Journalist)
 
【世間の評価】 ※2016.8.2時点
CinemaScape: 4.0/5.0 (77人)  
Yahoo! 映画: 3.96/5.00 (332人)
IMDb: 8.0/10.0 (168,003人)
Rotten Tomatoes(Critics): 8.3/10.0 (171人)
Rotten Tomatoes(Audience): 4.1/5.0 (69,922人)
 
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