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なんだこれは。なんだこれは。

観終わっても、自分の中で消化するのに時間がかかる。

まず、原作がおかしい。脚本がおかしい。
SFの世界ど真ん中。作者はいったいどんな発想をしているのか。
そして、それを映画化しようと思った製作陣がすごい。

観終ってから初めて知ったことだが、監督はミュージックビデオ界の鬼才、スパイク・ジョーンズではないか。

クレイグ(ジョン・キューザック)とロティ(キャメロン・ディアス)の夫婦がチンパンジーと暮らしていたり、到底社長がつとまりそうもないレスター社の社長(オーソン・ビーン)、レスター社が出すわけのわからない求人、まったく会話が成り立たない耳(か頭)がおかしい外交部長の女性(メアリー・ケイ・プレイス)、そもそもなぜにマルコビッチ…などなど、あげていけばキリがないツッコミどころ。

7と1/2階にオフィスがあるという設定。『オールド・ボーイ』に似たような設定があったが、本作では、ビルの1階に7と1/2階の案内が出ているという点でオープンな存在で、意味合いが異なる。天井が低くて、皆腰をかがめて移動している。その様子をずっと見ていると、無意識に息苦しさを感じてくる。

マルコビッチの脳につながるという通路も、入口付近はただの狭い通路だが、途中からドロドロとしてきて、ある地点を過ぎると一気に吸い込まれ、入口のドアが閉まる。このよくわからないディテイル。

ついつい、一つ一つの出来事の意味、意図を考えてしまうが、おそらく、考えて観る映画じゃないのだろう。このヘンテコな世界を、あるがまま感じ、あるまがまま受け入れるしか術がない。

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それにしても、なぜジョン・マルコビッチを選んだのか。現時点では、さほど名前を聞かない俳優となっているから、なおさらそう思ってしまうが、公開当時はどう受け入れられていたのだろうか。

また、本作では、人形劇が重要な役割を果たしている。
人形使いがパペットを操るように、クレイグらがマルコヴィッチを始めとした他人を操る。
オープニングで人形劇を見せられた時は、芸術的過ぎる映画だと面倒かなと思っていたが、パペットに魂が込められて操られている様は、本当に生きているようで、軽い感動を覚えた

キャスティング面では、ロティ役のキャメロン・ディアスに驚き。かなり好きな役者さんだが、今まではどちらかというと、からっとしたお色気を持つ役者というイメージだった。しかし、この作品ではまったく色気を感じない。それは役者としては凄いことなのだろう。

ラスト、ロティとマキシン(キャサリン・キーナー)の娘が、スイミングプールで泳ぐシーン。この映像の撮り方に、スパイク・ジョーンズっぽさを感じた。

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なお、チラシやDVDはこのデザインが有名だが、これからはスパイク・ジョーンズのセンスは感じるが、本作を観て受ける印象からはかけ離れている気がした。

製作総指揮:チャーリー・カウフマン / マイケル・クーン
製作:スティーヴ・ゴリン / ビンセント・ランデイ / サンディ・スターン / マイケル・スタイプ
監督:スパイク・ジョーンズ
脚本:チャーリー・カウフマン
撮影:ランス・アコード
美術:K・K・バレット
音楽:カーター・バーウェル
衣装:ケイシー・ストーム
特撮:グレイ・マーシャル / ダニエル・ラドフォード
出演:ジョン・キューザック / キャメロン・ディアス / キャサリン・キーナー / ジョン・マルコヴィッチ / オーソン・ビーン / メアリー・ケイ・プレイス / チャーリー・シーン / カルロス・ジャコット / W・アール・ブラウン / ショーン・ペン

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