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バレリーナの世界で凌ぎを削る女同士のドロドロとした闘い……
のようなものを当初イメージしていたが、その部分はさほどでもなかった。

元プリマで、今回主役の座を奪われたベス(ウィノナ・ライダー)や、本来主役になるだろうと目されていたヴェロニカ(セニア・ソロ)など、ニナ(ナタリー・ポートマン)にくってかかってくる人はいたが、そんなに陰湿ものではない。

どちらかというと、主演の座を手にし、精神的に追い込まれていくナタリー・ポートマンの前に現れる妄想の世界こそが強烈。
途中から、どこまでが妄想で、どこからが現実かがわかりにくく、そうなると全てが妄想なんじゃないかと思ってきて、感情移入するのをやめてしまおうとする意識が働いてしまった。

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どうも自分はこの手の作風が苦手らしい。
以前観た「バードマン」でも似たような印象を持った。

ナタリー・ポートマンは幸薄そうな主演を見事に演じていた。
監督のトマ(ヴァンサン・カッセル)に言われるとおり、性的魅力が低い。
練習で踊ってるシーンも表情が自信さなげで、魅入ってしまうこともない。

壊れていくニナの精神に加え、過保護で神経質な母親の存在や、背中の湿疹、指先からの流血などが拍車をかけ、観てるほうも一緒に追い込まれていく。

観ている最中はそんなことに構っていられなかったが、こうして見ると、本番ステージ用にメイクアップしたニナは神々しい。
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黒白鳥・ブラックスワンはなおさら美しい。
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本番での黒白鳥の踊りは迫力があったが、時間が短いのが残念ではある。

また、イギリスでもっとも評価の高い濡れ場シーン(ナタリー・ポートマンとミラ・クニス)があると聞いていたので楽しみにしていたが、自分には響かなかった。

ニナがベスの病室にお見舞いにいったり、しかも布団をめくって足の状態を見たり、盗んだ口紅等をわざわざ返しに行ったり。ベス絡みは理解不能な動きに満ちていた。

作品として決して悪くはないが、好きな映画ではない。

@BD

監督:ダーレン・アロノフスキー
出演:ナタリー・ポートマン / ヴァンサン・カッセル / ミラ・クニス / バーバラ・ハーシー / ウィノナ・ライダー / セニア・ソロ / ベンジャミン・ミルピエ / ティナ・スローン / クリスティナ・アナプー / セバスチャン・スタン / トビー・ヘミングウェイ
製作総指揮:ジョン・アヴネット / ブラッド・フィッシャー / ピーター・フラックマン / アリ・ハンデル / ジェニファー・ロス / リック・シュワルツ / タイラー・トンプソン / デヴィッド・スウェイツ
製作:スコット・フランクリン / マイク・メダヴォイ / アーノルド・メッサー / ブライアン・オリヴァー
脚本:マーク・ハイマン / アンドレス・ハインツ / ジョン・J・マクローリン
原案:アンドレス・ハインツ
撮影:マシュー・リバティーク
音楽:クリント・マンセル