brokebackmountain

アカデミー賞も受賞しているし、いろんなところで名前を聞く作品。

本作もまた、あまり内容を知らないまま観始めてしまったため、「おぉ、そういう話なのか」と驚かされた。つい先日観たばかりの『リリーのすべて』といい、話題作の一定割合はLGBT絡みだ。

 
1960年代のワイオミング州が冒頭の舞台。

平地から山や谷を超えて、放牧地まで移動する羊飼いシーンは、雄大な映像であり、かつ、彼らがやっている難儀そうな仕事の様子に、目を見張った。

山のテントで二人の関係が始まるまでは、羊飼いの仕事でヘマをして大変なことになるのかとハラハラして観てしまった。

この映画で面白いのは、お互い相手への気持ちを持ちながら、それぞれ結婚し、その後も時々、何年かに一度、会って旧交を温めているところ。
普通だったら、この長い間隔を空けての逢瀬は考えにくい。

その一つの原因としては、60年代の当時、ゲイが世間に認められていなかったことが大きい。

二人とも強いようで弱い。特にイニス(ヒース・レジャー)。感情が爆発し、怒ったり、号泣したり。この描き方も異色。ビジュアルは結構ゴツいのに。

後ろめたい関係性の二人。二人のことは誰にも言っていないうえ、他の人は知っているんじゃないかと、内心ビクビクしているから、観ているこちらもビクビクしてしまい、ちょっと鬱々とした気持ちになる。

わかりやすいハッピーエンドでも、アンハッピーエンドでもない。

イニスのキャラクターが全体を支配しており、独特の空気感に包まれる、ちょっと変わったお話。

終わり方に少し消化不良感が残ったため、自分の評価としては高くはならなかったが、決して悪くない作品だ。

以下、印象に残ったシーンを振り返る。

 - ad -

ブロークバックでの牧羊シーン。
brokebackmountain_09
力は使うし、匂うだろうし、経験も必要な仕事。ワイオミングに住む当時の若者たちにとってはできて当たり前のことだったのだろうか。

主要人物の4人はいずれも印象に残る。
brokebackmountain_03
主演の二人、イニス、ジャック(ジェイク・ギレンホール)ともに表情が良い。

brokebackmountain_04
イニスとジャックの関係性も、妻よりも、娘のことを考えると悩ましいところだろう。特に、娘たちの眼差しがまっすぐなだけに。

結局、喧嘩別れしたまま、会わないうちに、ジャックは死んでしまう。
brokebackmountain_08
彼の両親の家を訪ね、彼の部屋にかけられたままの、むかし着ていたシャツを目にする。匂いをかぎ、感極まるイニス。そして、静かにこのシャツをもらっていく。ここは良かった。

 
どちらの嫁もベッドシーンがあり、身体を張っている。とくにラリーン役のアン・ハサウェイには驚いた。
brokebackmountain_02
際立つ、アン・ハサウェイの可愛さ。早乗り競技の(ロデオガールの?)衣装がまた似合っている。
brokebackmountain_05
後半はマダム路線にシフトしたのか、ケバくなりチャーミングな美貌が生きなかったのが残念。それでも美しい。ジャックも色気があるし、美男美女カップル。

逆に、イニスの妻のアルマ(ミシェル・ウィリアムズ)は、比較的普通の女性。
brokebackmountain_07
ラリーンとの対比もあるが、普通なのがよかった。
brokebackmountain_06
アルマが見てしまった光景。時代も時代だし、そりゃあ悩むに決まっている。

brokebackmountain_01
登場シーンは短いが、この後、妻(アンナ・ファリス)がジャックとダンスするところも含めてエロさが漂い、印象に残る夫婦。

 
こうやってシーンを振り返ってみても、味わい深い作品だったことは間違いない。

 
<<追記>>
なんと、イニスを演じたヒース・レジャーは、『ダークナイト』のジョーカーを演じていた役者さんだったのか。2008年に急性薬物中毒により亡くなっている。つくづく惜しい人を亡くしたものだ。

製作総指揮: ラリー・マクマートリー、ウィリアム・ポーラッド、マイケル・コスティガン、マイケル・ハウスマン、ジョーディ・ランドール
製作: ダイアナ・オサナ、ジェームズ・シェイマス
監督: アン・リー
脚本: ラリー・マクマートリー、ダイアナ・オサナ
原作: アニー・プルー
撮影: ロドリゴ・プリエト
美術: ジュディ・ベッカー
音楽: グスターボ・サンタオラヤ
衣装: マリット・アレン
特撮: ルイ・モラン
出演: ヒース・レジャー(イニス・デル・マー)、ジェイク・ギレンホール(ジャック・ツイスト)、ミシェル・ウィリアムズ(アルマ・ビアーズ)、アン・ハサウェイ(ラリーン・ニューサム)、ランディ・クエイド(ジョー・アギーレ、農牧場主)、アンナ・ファリス(ラショーン・マローン、テキサス州の牧場主任の妻、パーティで同席、ジャックとダンス)、デヴィッド・ハーバー(ランドール・マローン、テキサス州の牧場主任)、スコット・マイケル・キャンベル(モンロー、アルマの勤務先の上司、新しい夫)、リンダ・カーデリーニ(キャシー、酒場のウェイトレス、イニスの離婚後の恋人)、ケイト・マーラ(アルマ・ジュニア、イニスとアルマの長女)、Cayla Wolever(Jenny, 11歳)、シャイエン・ヒル(アルマ・ジュニア、13歳)、Mary Liboiron(Fayette Newsome、ラリーンの母)、グラハム・ベッケル(L.D. Newsome、ラリーンの父)、ロバータ・マックスウェル(ジャックの母)、ピーター・マクロビー(ジョン・ツイスト、ジャックの父)、トム・キャリー(ロデオピエロ)、デュヴァル・ラング(ロデオのアナウンサー)、デヴィッド・トリンブル(バスク、ブロークバックへ荷物を運ぶ男)
配給: フォーカス・フィーチャーズ(米)、ワイズポリシー(日)
公開: 2005年9月2日(伊、VIFF)、2005年12月9日(米)、2006年3月4日(日)
上映時間: 134分
製作費: $14,000,000
興行収入: $178,062,759
 
【世間の評価】 ※2017.1.27時点
CinemaScape: 3.7/5.0 (135人) 
Filmarks: 3.8/5.0 (8,127人) 
Yahoo! 映画: 4.06/5.00 (1,092人)
IMDb: 7.7/10.0 (266,767人)
Rotten Tomatoes(Critics): 8.2/10.0 (235人)
Rotten Tomatoes(Audience): 3.4/5.0 (518,727人)
 
@Amazon Prime Video