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複数の男の友達に勧められて。
北野映画を観るのは『ソナチネ』以来か。

 
今回もバイオレンス満載のヤクザ映画。舞台は日本もあるが、メインはアメリカのロス。

前半部、舞台がアメリカで、ビートたけし演じる山本が英語を話せないってこともあって、彼の台詞が極端に少ない。ロスの空港からホテルに向かうタクシー、ホテル内、そして腹ちがいの弟のケン(真木蔵人)の住処で。その感じは悪くない。慣れない異国の地にありながら威風堂々としているように見えるからだろうか。

以下、ネタバレあり。

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屋上から投げる紙飛行機、デニー(オマー・エップス)とのサイコロ賭けでのコップに穴を空けてのチート、海でのアメフトボールでのキャッチボールの遠景、屋内バスケで加藤(寺島進)にボールをみんなが回さない意地悪をするなかで図体のデカいやつらを小柄な加藤がけりまくる図、つかまえたマフィア関係者のじいさんをからかう様、よくわからない趣味の女、などなど、「ソナチネ」や「HANABI」に通じる北野映画らしさがにじみ出ていた。

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デニーと将棋に興じる山本。力が抜けていて好きなシーン。

 
山本が女(Joy Nakagawa、二人の関係性は作中で一切語られない)を連れてきた際に、「可愛いのかブスなのかわからないけど、すごい地味ですね」と本人に言ってしまう加藤。仲が良いとはいえ、ヤクザの上下関係の中で普通はありえなそうな会話ではあるが、確かにそういうビジュアルの人だったから、ほっこりさせられた。

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この方がその女性。白のリムジンもさらっと使われているが印象に残る。

 
ハリウッドアクションとは一線を画し、車が吹き飛んだり爆発が激しかったりする演出は少ない。
一方で、指つめ、腹切り、鼻わりばしなどの日本的な暴力は随所に見受けられる。

ラストのデニーを逃がすところ、カバンに現金が入ってるのも、嫌いではないがひねりがなさ過ぎる気も。
おそらくこのデニーのシーンは映画全体の中でも重要なシーンのはずだが、自分がこう感じることからわかるとおり、作品全体を通して驚きが少ない
そこが不満を持ったポイントだった。

キャストをあらためて調べてみると、経理担当のスギモト(ジェームズ繁田)や、山本の女役のマリナ(ジョイ・ナカガワ)のほか、端役でも冒頭の寿司バーの大将だったり、ラストのコーヒーショップのオーナーだったりと日系の方がチラホラ登場している。やはり日英共同制作ということで、言葉の面でも大変だったことが伺える。

なお余談だが、元阪急ブレーブスのピッチャーでたけし軍団に所属していたアニマル・レスリーが、この映画にもMooseという役で出演している。正直、どこに出ていたどの役だかわからないが、出ていたという情報を知っただけで懐かしい気持になった。

最後に、デザイン違いのチラシ写真を。
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イタリア語バージョン。

製作: 森昌行 / ジェレミー・トーマス
監督: 北野武
脚本: 北野武
撮影: 柳島克己
美術: 磯田典宏
音楽: 久石譲
衣装デザイン: 山本耀司
出演: ビートたけし / オマー・エップス(Omar Epps、デニー) / 真木蔵人(ケン) / 加藤雅也(白瀬) / 大杉漣 / 寺島進 / 石橋凌 / ロイヤル・ワトキンス(Jay) / ロンバルド・ボイアー(Mo) / ジョイ・ナカガワ(Joy Nakagawa、マリナ) / 大竹まこと / かたせ梨乃 / 渡哲也 / ジェームズ・シゲタ(ジェームズ繁田、杉本) / 奥村公延(花岡組親分) / 六平直政(久松組組長) / タティアナ・M・アリ(デニーの妹) / Alan Marco(bellboy) / Dan Gunther(killer waiter) / Lobo Sebastian(Yamamoto’s Bodyguard) / Amaury Nolasco(Victor) / 亜仁丸レスリー(Bradley Jay Lesley、Moose)
配給: オフィス北野/松竹
公開: 2000年9月(伊/VIFF)、2001年1月27日(日)
上映時間: 114分
 
【世間の評価】 ※2016.9.12時点
CinemaScape: 3.1/5.0 (461人)  
Yahoo! 映画: 3.55/5.00 (212人)
IMDb: 7.2/10.0 (18,597人)
Rotten Tomatoes(Critics): 5.1/10.0 (73人)
Rotten Tomatoes(Audience): 3.7/5.0 (8,674人)
 
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