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相変わらずの福田節。
『U1グランプリ』に通じる、笑いのネタの方向性、間を感じる。
つねづね思うが、この人の笑いのセンスは独特。
自分にはついていけない。

ただし、先日観た『HK 変態仮面』では、その色が弱くなっていた気がした。
変態仮面は2013年製作、本作は2009年。この4年間で彼の方向性も少しは変わったのかもしれない。

「大洗にも星はふるなり」のあらすじ

茨城県大洗の海の家「江の島」。そのマスターと4人のアルバイトの男性にそれぞれ「クリスマスイブを海の家で過ごしたい」との手紙がマドンナ・江里子から届き、みんな二人きりだと思って海の家に来る。男たちは、自分が一番江里子を愛していることをアピールし合う。そこへ海の家の撤去命令を持った弁護士・関口がやってきた。関口は事態を収拾しようとするが、関口もまた江里子への恋心に火がついてしまい男たちの争いはヒートアップ。更にそこに遅刻して来た林も加わり…

おしなべて、全般的にツラい。

映画なんだけど、滑り倒している舞台の『U1グランプリ』を彷彿させる撮り方。
福田さんはこういうのが好きなんだなあ。
笑いの方向がどことなく内輪ネタっぽいというか、中学生っぽいというか。

ストーリー展開的にも、演出的にも唐突な面が多く、その世界観に到底馴染めない。
『変態仮面』ぐらい突き抜けているものがあれば、まだ楽しめたのに。

以下、印象に残ったシーンを振り返る。

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意外にも、山田孝之が出ている映画を観るのはこれが初めて。
あの濃いイケメン顔で、わざとタキシードのようなこてこての衣装を着せて登場させ、そこから落としている。
この落とし方も、泥棒っぽい髭だったり、つながりそうな眉毛だったり、ドリフそのもの。
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前半はまだカッコよさが残っていた杉本(山田孝之)。
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これはひどさマックスの時ではないが、いずれにしてもかなりの落とされ具合だった。

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ムロさんは、『変態仮面』同様、福田さんが好きそうな、ひとりよがりのトーンの演出がつけられている。自分の好みではないんだよなあ、あのキャラクター。

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サメマニア(山本裕典)とハイテンションバカ(小柳友)の二人もつらかった。決して彼らが悪いわけではない。
サメマニアの、アメリカに行く話を皆に言わないでとマスターに伝えるところからの一連のシーンも、あまりにベタ過ぎてつらい。
ハイテンション・バカが、マスターのオヤジギャグにいちいち突っ込み、それを杉本が「いちいち拾うな」と切り捨てる流れもつらい。

売れない小劇団が笑いを取ろうとして見事にスベッている絵を見るかのようだった。

佐藤二朗さん演じるマスターも、『U1グランプリ』に通じるベタな演技を繰り出してくる。
遅れて登場する林(白石隼也)も、彼が脳腫瘍で死ぬとかあまりにリアリティゼロで、悲しむことも笑うこともできない。

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登場人物の男性陣の中で、唯一まともに見れたのは安田顕演じる弁護士。
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影の薄い林くん(白石隼也)の登場後、男性陣全員がおさまっているシーン。

そして、一服の清涼剤は、想いでのシーンと結婚報告のハガキでのみ登場する江里子(戸田恵梨香)。
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マドンナといっていい可愛さだ。

 
ここ1年ほどで観た作品の中では、『大英雄』と並んでもっとも低評価な作品となってしまった。

製作総指揮: 馬場清、長谷川真澄
製作: 佐藤直樹
監督: 福田雄一
脚本: 福田雄一
撮影: 中山光一
主題歌: メロライド『ココニアル』
出演: 山田孝之(杉本、カンチガイ・ストーカー)、山本裕典(松山、オクテ・サメマニア)、ムロツヨシ(猫田、浮気・命)、小柳友(仁科、ハイテンション・バカ)、白石隼也(林、天然・カラ回り)、安田顕(関口、バツイチ・ミーハー弁護士)、佐藤二朗(マスター、ちょい悪?オヤジ)、戸田恵梨香(江里子、マドンナ)
製作会社: 「大洗にも星はふるなり」製作委員会
配給: 日活
公開: 2009年11月7日(日)
上映時間: 103分
 
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