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最近とんとご無沙汰していた恋愛もの。

もっとシンプルなものかと思っていたら、人間関係が意外と複雑で、混み合っていた。

オープニング早々に心を掴まれ、前半部はダメ中年オヤジのキャル(スティーヴ・カレル)と、ナンパ師ジェイコブ(ライアン・ゴスリング)の掛け合いで笑いもあり、軽快に話は進む。

後半勢いは衰えるものの、落としどころとしては納得感あり。

「ラブ・アゲイン」のあらすじ

仕事も家庭も順調で理想的な生活を過ごしてきた40代のキャル・ウィーバー。しかし、25年連れ添った妻のエミリーが男をつくり、突然離婚を切り出されたことで人生が一変。困惑し、さえない日々をひとり寂しく過ごすキャル。そんなある夜、次から次へと女性に声をかけては虜にしてしまうプレイボーイ、ジェイコブ・パーマーとバーで知り合う。ジェイコブは妻への未練を断ち切れないキャルに新たな人生を歩ませようと、女性を紹介し、酒の飲み方を手ほどきし、ファッションの磨き方などさまざま助言を与える。彼の手ほどきで、女性たちを振り向かせる男へと華麗に変身するキャルだったが…。

大筋に驚きはないものの、人間関係などサイドストーリーは読めないところが多く、楽しめた。
また、『ラ・ラ・ランド』の主役コンビでもあるライアン・ゴスリング、エマ・ストーンを筆頭に、役者勢も魅力的。

それにしても、もうちょっと良い邦題はなかったものだろうか。

以下、ネタバレも含みつつ、印象に残ったシーンを振り返る。

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オープニング。
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ディナーの席で、スイーツをどれにするか、せーので言おうというタイミングで、「離婚して」と切り出すエミリー(ジュリアン・ムーア)。ここで観客を一気にストーリーに惹き込む。

家ではベビーシッターのジェシカ(アナリー・ティプトン)が、娘のモリーと遊んでいる。モリーが倒した夫婦の写真立て。ガラスが割れている様は離婚を暗示しているかのよう。ジェシカは写真のキャルの顔を愛おしげに眺める。

無駄がない脚本だ。

バーで、妻が男を作って逃げられたことを誰彼かまわず話しているキャル。そこでジェイコブと出会い、遊び人とダメ中年親父のコンビが成立する。

キャルへの教育で、彼が変わっていく様はひとつの見どころ。ただしそんなにびっくりするほどは変わらない控えめさ。
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顔をバシバシとスラップされ、”Be better than the gap”とキャルに言うことを強要するシーン。ここはかなりお気に入り。
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自信に溢れるジェイコブを演じるライアン・ゴスリングは、『ラースとその彼女』や『ドライヴ』での彼と比べてしまい、不思議な気持ちになる。
『ラ・ラ・ランド』でもそうだが、この役者は人の目を引く魅力を備えている。
ジャケットにサングラス姿でピザを素手で食べながらキャルを待つ、このジェイコブが最高。
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洋服屋でショップ店員をナンパしようとするジェイコブ。この女性(メキア・コックス)はよくよく見ればモデルのように美しいなあと思ったが、調べたらもともとはダンサーでマイケル・ジャクソンの『THIS IS IT』でもバックダンサーとして踊る予定だったとか。
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キャルとジェイコブのギャップがナイス。
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いやあ、このダサい男をジェシカが好きになるって……。人の好みはわからないものだが、さすがにありえない気はする。

 
ジェイコブとハンナがバーで初めて遭遇するシーン。
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法律用語をまじえた、会話の応酬がワクワクさせてくれた。
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唯一のアジア系の登場人物というのもあるが、ハンナの友人リズを演じるライザ・ラピラも目を引いた。「友達だから言うけど、(ハンナが好きな)ニンジン頭はキモい」という直球のセリフにも笑わされた。お堅いハンナのことは”PG13″と形容していた。
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ハンナがジェイコブに最終的にはメロメロになってしまうところは可愛らしい。前半はさほど可愛く感じなかったが、雰囲気を出し始めると魅力が溢れてくる素敵な役者だ。

 
息子のロビーは年上のベビーシッタージェシカに夢中だが、彼女は振り向いてくれないばかりか、実はその父親に気がある。
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ロビーの大勢の前での告白を聞き唖然とするジェシカ。

キャルが母親のことを諦めそうになると、息子に「ソウルメイトなんだから諦めるな」と励まされる。
しかし最後の最後で、ジェシカが父親に気があることを知ると、真の愛なんてないと諦めそうに。
それを8th Gradeの卒業式のスピーチで話していると、父親がスピーチを止めて、「自分は諦めない」と語る。ここは読める流れだが悪くなかった。
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卒業式にて。柔らかい表情のジェシカ。演じるアナリー・ティプトンは1個1個のパーツがはっきりしている特徴的な顔立ち。
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庭での大騒動の後の男性陣。

左から2番目のジェシカの父親を演じるジョン・キャロル・リンチは『ゾディアック』の容疑者役といい、印象に残る風貌。
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こちらは女性陣。三人揃うと結構な迫力。

すったもんだありつつも、最後まで貫かれるキャルの妻エミリーへの愛。
エミリーを演じるジュリアン・ムーアもそれなりの歳ではあるが、まだ魅力を称えている。

 
脇役のキャラクターの中で強い個性を放っていた一人が、キャルと一晩を共にし、ロビーの先生でもあるケイト(マリサ・トメイ)。
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わかりやすく派手&露出多めの格好で男が言い寄ってくるのを待つケイト。これが中学校教師ってのは笑える。

 
と、振り返ってみると、掴みのうまさ、役者陣の魅力により、見どころが多かったことがわかる。

後半、ジェイコブがハンナに真剣になってから、会話の面白さが減ってしまうところがちょっとマイナスではあるが、恋をすると誰でも余裕がなくなるって話だから仕方ないか。

 
最後に、バージョン違いのチラシ・DVDパッケージデザインを紹介。
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日本語版。”イケダン”って言葉に気持ち悪さを感じてしまう自分…

製作総指揮: デヴィッド・A・シーゲル、ヴァンス・デジェネレス、チャーリー・ハートソック
製作: スティーヴ・カレル、デニーズ・ディ・ノービ
監督: グレン・フィカラ、ジョン・レクア
脚本: ダン・フォーゲルマン
撮影: アンドリュー・ダン
美術: ウィリアム・アーノルド
音楽: クリストフ・ベック、ニック・ウラタ
衣装: デイナ・ピンク
特撮: マイケル・ランティエリ
出演: スティーヴ・カレル(キャル・ウィーバー)、ライアン・ゴスリング(ジェイコブ・パーマー)、ジュリアン・ムーア(エミリー・ウィーバー)、エマ・ストーン(ハンナ・ウィーバー)、ジョナ・ボボ(ロビー・ウィーバー)、アナリー・ティプトン(ジェシカ・ライリー)、ジョーイ・キング(モリー・ウィーバー)、マリサ・トメイ(ケイト・タファティ、ロビーの教師)、ベス・リトルフォード(クレア・ライリー、ジェシカの母)、ジョン・キャロル・リンチ(バーニー・ライリー、ジェシカの父)、ケヴィン・ベーコン(デイヴィッド・リンハーゲン)、ライザ・ラピラ(リズ)、ジョシュ・グローバン(リチャード、ハンナが想いを寄せていた男)、メキア・コックス(アパレル店員の黒人女性、ジェイコブがナンパしようとする)、ジュリアナ・グイル(ジェシカ同級生、年上の男にもてる秘訣を聞く)、クリスタル・リード(ジェイコブがバーでナンパするうちの一人)、レジー・リー(ウィーバー邸でのもめ事の際にやってくる警官の一人)、ジェニー・モーレン
編集: アンドリュー・ダン
製作会社: ワーナー・ブラザース、カルーセル・プロダクションズ、ディ・ノーヴィ・ピクチャーズ
配給: ワーナー・ブラザース
公開: 2011年7月29日(米)、2011年11月19日(日)
上映時間: 117分
製作費: $50,000,000
興行収入: $142,768,101
 
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