ukigumo

1996年。
自分が映画を観まくっていた学生時代にちょうど上映されており、しかも評価も非常に高かったのに、今まで見れなかった作品。

北欧か東欧っぽい暗い雰囲気。
やはりフィンランドが舞台なのだろうか。

昨日の「スイミングプール」とは好対照の淀んだ色使い。家の内装も古い。
妻(カティ・オウティネン)が勤めていたレストランの名前が「ドブロヴニク」というのも東欧っぽさを醸し出している。
ドブロヴニクはリゾートの象徴なのだろうか。そうも思えないレストランの雰囲気ではあるが。

主演の二人は、共に冴えない。特に妻。38には到底見えない。
夫(カリ・ヴァーナネン)は見栄っ張りで、やや浪費家の気がある。
でも花を買ってきたり、櫛で髪をとかしたり、古き良き男っぽさがある。

夫婦ともに犬へのさりげない愛がある。
チラシやパッケージにもなっているラストの有名なシーンにも犬が登場している。

ハッピーエンドで終わってほしいなぁと願いながら見てて、ちゃんとハッピーエンドで終わってくれる。
いわばおとぎ話。

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ちょっと内容は違うけど、「カモメ食堂」もこの作品の影響は受けてるのかもとふと思った。

給仕長の役目にある妻が、レストラン店内でタバコを吸ってる姿に良くも悪くも時代を感じる。

二人とも仕事がなくなった時の絶望感。
今後どうしたらいいんだろうという気持ちがひしひしと伝わってくる。

おそらく普通の人は、ダメそうな時に比較的すぐあきらめてしまう。今の自分もそのクチ。もっと必死になればなんとかなるのに。淡泊になりがち。と余計な反省心をくすぐられた。

本作はおとぎ話だから、主人公たちからはそこまでの必死さは感じられないが。

浮き雲は風に流され流されて。でも悪いことばかりじゃないよねと。
甘い気はするが、それでいい気もする。

人を撮っているシーンの影の使い方が独特。

小さい子供の写真。
お墓のようなところに花を供えるシーン。
しかし特に説明はない。
このシーンに限らず饒舌ではない映画なのだ。

どこかで見たことがありそうで、知っていそうなストーリー。
しかし、カウリスマキによる切り取り方に味がある。

製作・監督・脚本:アキ・カウリスマキ
撮影:ティモ・サルミネン
音楽:シェリー・フィッシャー
出演:カティ・オウティネン / カリ・ヴァーナネン / エリナ・サロ / サカリ・クオスマネン
 
【世間の評価】 ※2016.1.21時点
CinemaScape: 4.0/5.0 (178人)  
Yahoo! 映画: 4.36/5.00 (45人)
IMDb: 7.7/10 (4,739人)
 
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