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終始言葉少なな、ライアン・ゴスリング演じるドライバー。

隣家の人妻(キャリー・マリガン)とその息子ベニッシオ(カーデン・レオシュ)と接する時には表情が柔らぐが、それ以外は基本的に無表情。
現場に挑む際は、その表情がさらに張り詰める。

舞台となる街はロス。
無機質なドライバーの雰囲気に合っている。

静かに、間をしっかりととった映像。
時にカーアクション、暴力や銃撃など激しいシーンもあるが、最後に印象に残っているのは、ドライバーの表情、ゆっくり歩いているシルエット。
そのぐらい彼のキャラクターが、映画全体の世界観に投影されている。

ドライバーの風変わりな性格や、車や運転への制作サイドのこだわり、映像の丁寧さなど、世界観が確立されている。

ただし、感情が揺さぶられるかというと、それほどでもなく。
それはきっと、ドライバーの特異なキャラクターが自分には感覚的になじまなかったためかなと。

以下、ネタバレ含め印象に残ったシーンを振り返る。

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まず第一に、車への愛がひしひしと感じられる作品だといえる。

自動車修理工、映画のスタントドライバーのほか、逃がし屋という顔も持つドライバー。
冒頭、警察の無線を拾って、逃げるルートを考えるという設定に否が応でもワクワクさせられる。

 
そして何よりも、ストーリーとして変わっているのは以下の点。

ドライバーはアイリーンに強い好意を持っているものの、彼女には服役中の旦那がいて、二人が出会ってから間もなく出所してきてしまう。
ドライバーの自動車修理工場での雇い主で、彼の最大の理解者であるシャノン(ブライアン・クランストン)のセリフにもあったが、単に人妻に恋するだけならいくらでもある話。

しかし、ドライバーは服役して戻ってきた旦那の借金を返すために、質屋の強盗に加担する。
こんなストーリーは聞いたことがない。

感情がどちらかというとフラットなドライバーだが、アイリーンとベニッシオに対しては違う反応を示す。
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スーパーの駐車場で、アイリーンの車のバッテリーが上がっていたのを助けた後の三人。
ただでさえいい雰囲気が、子どものベニッシオが介在することで更に良くなっている。

アイリーンと二人のシーンでも、お互い多くの言葉を発するわけではないが、自然とお互い笑みがこぼれる演出にはキュンとさせられる。
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殺し屋もいるエレベーターの中での突然のキスシーン。
これは、同乗者が殺し屋だということをわかったうえで、気をそらさせようとした行動でもあるのだろうか。
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シャノンとアイリーン、ベニッシオ。
自動車修理工場って、見ているだけでなぜテンションが上がってしまうんだろう。
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車もかっけぇ。

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質屋からスタンダードらが出てくるのを待つドライバー。
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トレードマークのつまようじを咥えて。危険な気もするが…
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銃弾とハンマーを手にし、相手を締め上げようとするドライバー。
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ストリップバーの楽屋にて。ストリップ嬢らがまったく動じていないのが面白くもあるが、リアリティに欠ける嫌いもある。
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中華料理屋で待つバーニー(アルバート・ブルックス)のもとへ出向くドライバー。
「金を返せばアイリーンの安全は保証する。だが、お前の安全は保証しない。お前は一生後ろを警戒しながら生きるんだ」というバーニーのセリフに、つい我がことのように想像してしまう。

脇を固める役者たちも、なかなかの曲者ぞろい。
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アイリーンの旦那、スタンダード。一度犯罪を犯すと、なかなかそのサイクルから抜け出せないことが、彼を見ているとよくわかる。彼にアイリーンが惹かれるというのは想像しにくかった。
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怪演っぷりが見事なニーノ。(なんと、『ロスト・チルドレン』に出ていた役者さんだ!)

 
最後に、バージョン違いのチラシorDVDパッケージデザインを紹介。
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イラスト寄りのタッチ。
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戦いにいく意気込みが感じられるデザイン。

製作総指揮: デヴィッド・ランカスター、ゲイリー・マイケル・ウォルターズ、ビル・リシャック、リンダ・マクドナフ、ジェフリー・ストット、ピーター・シュルッセル
製作: マーク・プラット、アダム・シーゲル、ジジ・プリッツカー、マイケル・リトヴァク、ジョン・パレルモ
監督: ニコラス・ウィンディング・レフン
脚本: ホセイン・アミニ
原作: ジェイムズ・サリス
撮影: ニュートン・トーマス・サイジェル
美術: ベス・ミッキー
音楽: クリフ・マルティネス
衣装: エリン・ベナック
出演: ライアン・ゴスリング(ドライバー、キッド)、キャリー・マリガン(アイリーン)、ブライアン・クランストン(シャノン)、アルバート・ブルックス(バーニー・ローズ、シャノンが投資を依頼)、ロン・パールマン(ニーノ、バーニーのパートナー)、オスカー・アイザック(スタンダード・ガブリエル、アイリーンの旦那)、カーデン・レオシュ(ベニッシオ、アイリーンの息子)、クリスティナ・ヘンドリックス(ブランチ、クックの仲間)、ジェームズ・ビベリ(クック、ニーノの手下、スタンダードを脅す)
編集: マシュー・ニューマン
配給: フィルム・ディストリクト(米)、クロックワークス(日)
公開: 2011年9月16日(米)、2012年3月31日(日)
上映時間: 100分
製作費: $15,000,000
興行収入: $75,424,905
 
【世間の評価】 ※2017.3.7時点
CinemaScape: 3.8/5.0 (74人) 
Filmarks: 3.8/5.0 (14,755人) 
Yahoo! 映画: 3.70/5.00 (954人)
IMDb: 7.8/10.0 (454,196人)
Rotten Tomatoes(Critics): 8.3/10.0 (238人)
Rotten Tomatoes(Audience): 3.9/5.0 (116,033人)
 
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