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友人女性のお勧め。
さらっとプロットを読んだ感じでは軽く見れそうな印象だったが、実際もそうだった。

 
ホラー好きというわけではない自分にとって、前半はやや苦痛だった。

あまり高校生には見えない高校生たち。
敢えてなんだろうが、ベタな芝居。過剰な演出。
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まずなんといっても、主役のアレックス(デボン・ソーワ)からして、なんともイケていないんだ。

しかし、その世界観にだんだん馴染んでいく。

以下、ネタバレあり。

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アレックスがルールを見出し、誰が次に死ぬのかを予測して動くようになってから、特に先生(クリステン・クローク)が死ぬシーンは、楽しむことができた。

心配するアレックスが先生の車のタイヤに異常がないか調べてFBIに連行されたり、先生の死亡現場に血のりのついた足跡をがっつり残し、かつ包丁にたっぷり指紋を残した状態で現場から逃げたり、アレックスの駄目さ加減にぬかりなし。

一方で、トッド(チャド・E・ドネッラ)のバスルームのシーンで、ぬるぬるする液体が便器の配管から溢れ出てきて、それに滑ったのがトッドが死ぬきっかけになるわけだが、この液体の挙動があからさまに非科学的だったり、同様に、クレアの家での電線(?)のしつこい動きだったりと、やり過ぎな演出が多く、こちらの盛り上がった気持ちをなかなか長続きさせてくれない。

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アレックスに過剰につっかかるカーター(右、カー・スミス)。それに嫌気がさすテリー(中央、アマンダ・デットマー)。この後、この場を立ち去る彼女が、唐突に左から来るバスに撥ねられるシーンは、映画館で観ていたら衝撃だろう。『セッション』を思い出した。

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エキセントリックなキャラとして描かれていたクレア(アリ・ラーター)。変なオブジェにアレックスへの好意が現れている。

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事件の(一応の)終息から半年後にパリへ行く、生き残りの三人。
このシーンから、アレックスとクレアは付き合っている関係だということが観客に知らされる。

 
映画本編への評価には影響させるべきではないが、特典映像の中の制作関係者へのインタビューは、いろいろと示唆に富んでいた。

その第一は、スクリーニングテストでの観客の反応を見て、2百万ドルかけて大幅に変えたラストを撮り直していたということ。確かに撮り直したラストのほうが歯切れは良くて、自分もそちらのほうが好みだった。
パリのシーンでのクレアはどことなく魅力的に感じたのだが、敢えてそれまでは魅力を抑える演出をしていたことが原因と思いきや、単純にラストシーンの撮り直しまでに時間が経ってしまったのかもしれない。

また、「この映画のターゲットは『スクリーム』が好きな10代」だということ。
つまり、わたしはスクリーム好きでもないし、年代もかけ離れているし、完全に埒外で、わたしがどう評価しようが彼らにとってはどうでもいいってことだ。

さらに、「評価が低くても劇場での反応が良ければOK」という割り切りも、こういった映画ならではだなと。

制作側としては、最初に撮ったラストは意図が深過ぎて観客に伝わらなかったと言っているが、意図の浅さ深さ以前に、伝え方も話のテンポも悪く感じた。
裏を返すと、映画作りのプロを自称している彼らも、作ったものを客観的に見ることはできないことを再認識させられた。
いわば、バカで何も考えていなそうな人々をターゲットにしておきながら、いざ自分らが作ったものが伝わらないとなると、観客がバカだから伝わらないんだと言い出す矛盾。
だからこそ、世にはとんでもなくつまらない映画が溢れているのだろうが。

ところで、深く考えてはいなかったが、「ファイナル・デスティネーション」というのは、飛行機の行き先ではなく、最後に死ぬ人という、意味なのだな。これは悪くない。

最後にまとめると、笑える部分はあったものの、演出の過剰さ、演技のベタさ、さらにいうならば役者がさほど魅力的ではなかったところで、ノリきれず。
(本作を薦めてくれた女性の友達の嗜好が見えて、面白いセレクションではあったが。)

製作総指揮: リチャード・ブレナー / ブライアン・ウィッテン
製作: グレン・モーガン / クレイグ・ペリー / ウォーレン・ザイド
監督: ジェームズ・ウォン
脚本: グレン・モーガン / ジェームズ・ウォン / ジェフリー・レディック
原案: ジェフリー・レディック
撮影: ロバート・マクラクラン
美術: ジョン・ウィレット
音楽: シャーリー・ウォーカー
衣装: ジョリ・ウッドマン
特撮: アリエル・ヴェラスコ・ショウ
出演: デボン・ソーワ(Alex) / アリ・ラーター(Clear) / カー・スミス(Carter) / ショーン・ウィリアム・スコット(Billy) / トニー・トッド(mortician) / クリステン・クローク(female teacher) / アマンダ・デットマー(Terry) / チャド・E・ドネッラ(Tod) / ダニエル・ローバック(Agent Weine) / ロジャー・グエンヴァー・スミス(Agent Schreck) / ブレンダン・フェア(Tod’s elder brother) / トロイ・ヨーク(handicapped passenger) / バーバラ・タイソン(Alex’s mom) / Lisa Marie Caruk(classmate) / Christine Chatelain(classmate) / フレッド・キーティング
編集: ジェームズ・コブレンツ
配給: ニュー・ライン・シネマ(米)、ギャガ(日)
公開: 2000年5月17日(米)、2001年1月20日(日)
上映時間: 97分
製作費: $23,000,000
興行収入: $112,880,294
 
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