intothewild

タイトルどおりの内容だとは想像していなかった。

ショーン・ペンっぽい、男らしく、感情の押し売りが少ない作品。
エンディングも悲しい最期ではあるが、ウェットではない。

両親に対して心を閉ざす主人公(エミール・ハーシュ)。
カレッジを卒業して家族に連絡先や行く先も告げず、一人荒野へ飛び出す。
頑なな彼も、途中知り合った人々との触れ合いのなかで、彼も変わっていく。
そこは王道な流れ。
家族の大事さを複数の人に説かれる。これはアメリカならではなのだろうか。
それとも、自分が今感じていないだけで、日本でも若者が一人で荒野を旅していたら同じように説かれるのだろうか。

バイトでお金を貯め、ヒッチハイクや貨物車、時にカヌーで移動。
目的地であるアラスカに入ってからは、米も持ってはいるが、獣を仕留め、食べれる植物を探す。
そして、トルストイ等の本を読んで、日々を過ごす。
自然の美しさもあるが、こういった光景は心躍るものがある。

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家族のもとへ帰ろうと思い、不思議なバスでの生活を後にするが、途中の河の水量が多くてとてもわたれない。
事件としては地味だが、野生に生きる人間にとっては致命的な計画ミス。

そして、ジャガイモの根と間違って、毒性の野生植物を食べて死んでしまう。
こんな小さな植物で、というのは結構な衝撃。
(調べてみると、彼の直接の死因は飢餓で、それにいたった原因はわかっていない様子。2013年に原作の著者であるJon KrakauerがThe New Yorkerに寄稿した文章(英語)はまさに、死因について述べられている)

ヘラジカを解体して燻製?にしようとするが、ウジが湧いてしまい失敗に終わるシーン。
つい先日、屠場の写真集を見たあとだったこともあり、
主人公の悔しがり方、落胆の仕方も含めて強く印象に残った。

事実に忠実に作られているからだろうか。
敢えて、監督が感情を押し付けない作りにしているからだろうか。
眠気も吹き飛ぶ面白さではあるが、淡々と見てしまっている自分がいた。
主人公が若く感じられてしまったからかもしれない。
自分は彼を諭す側に近い立場だから。
きっと10代や20代の頃に見ていたらまったく違う感想を持ったのかもしれない。

それでも以下の言葉は、胸を打った。
「Happiness only real, when shared」
happinessonlyrialwhenshared

また、この作品を観て、アメリカでトレーラーで移動しながら暮らしていた知人夫婦のことを思い出した。
そして、予てより興味のあるカヤックに、早くチャレンジせねばと思いを新たにした。

映画の本筋とは関係ないが、 ヒッピーカップルが主人公に対して、Kristen Stewartが演じる女性ミュージシャンに挨拶しなよとちゃかす場面で、その女性ミュージシャンのことを”Joni Mitchell”と形容していた。数か月前に観た「ラブアクチュアリー」でもジョニ・ミッチェルは印象的に使われており、このアーティストの人気の一端をここでも垣間見た気がした。

製作総指揮:デビッド・ブロッカー / フランク・ヒルデブランド / ジョン・J・ケリー
製作:アート・リンソン / ショーン・ペン / ウィリアム・ポーラッド
監督・脚本:ショーン・ペン
原作:ジョン・クラカワー
撮影:エリック・ゴーティエ
美術:デレク・R・ヒル
音楽:マイケル・ブルック
衣装:メアリー・クレア・ハナン
出演:エミール・ハーシュ / マーシャ・ゲイ・ハーデン / ウィリアム・ハート / ジェナ・マローン / ブライアン・ディーカー / キャサリン・キーナー / ヴィンス・ヴォーン / クリステン・スチュワート / ハル・ホルブルック / ザック・ガリフィナーキス