intouchables
2016年1発目はこちら。
友人女性が薦めてくれたフランス映画。

ストーリーは違うかもしれない(憶えていない)が、『ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア』を思い出した。

 
大金持ちだが、事故で半身不随、妻に先立たれている中年の白人フィリップ(フランソワ・クリューゼ)と、パリのスラムで暮らす黒人の若者ドリス(オマール・シー)。

ドリスの、品はないがストレートな物言いが、フィリップや、フィリップを取り巻く屋敷の人々の心にも入り込んでいく。
逆に、フィリップとの関わり合いにより、ドリスも少なからぬ影響を受ける。

このストーリーで変わっているのは、介護師の面接にまったく受かる気のない、ただ失業手当が欲しいがために面接に来ているドリスを、数分の面接で彼に他の人と違うものを感じ、フィリップ自身が選んでいるところ。
そして、一般的な映画よりも、採用後のドリスの苦労や、フィリップとドリスとの衝突などの、葛藤のシーンが少ない印象。
大きなトラブルもなく、二人は心通じる仲になっていく。

このため、ストーリーにステレオタイプさはないが、抑揚にも欠ける結果にもなっている。
エンディングについても、ある意味、予定調和的で驚きはない。

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それでも、この映画には時間を忘れて惹きつけられた
その大きな要因は、ドリスを演じるオマール・シーの魅力だろう。

高級スポーツカー(マセラッティ・クアトロポルテ)のエンジン音に興奮したり、EW&Fの曲で踊ったりとドリスは究めてチャーミング。フィリップがつられて笑うまでバカな事を言い続けるところにも、意識的にか無意識的にかわからないが、彼のコミュニケーション能力の高さが現れている。

 
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アース・ウインド・アンド・ファイアーの曲で軽快に踊るドリス。

 
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マセラッティのエンジン音に大はしゃぎのドリス。この気持ち良くわかる。

 
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もう一人の主役、フィリップも半身不随ということもあり表情が命。見事に演じきっている。これは性感帯の耳をマッサージしてもらいご満悦の図。

 
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上のマセラッティもそうだが、このbeatsのヘッドフォンも度々登場するプロダクトプレイスメント商品。似合うから良し。

 
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ラスト、フィリップをレストランに残したまま立ち去る、ドリス。
本当に良い表情ができる役者さんだ。

 
こういった、社会の下層で埋もれている才能を引き上げるストーリーではどれも共通するが、引き上げる側のセンスなくして成り立たない話ではある。

作品全体としては好印象の映画であるが、素材が良いだけに、もう一抑揚、一捻り欲しかったかなという物足りなさが残ることも否めない。

製作:ニコラ・デュヴァル・アダソフスキ / ヤン・ゼヌー / ローラン・ゼトゥンヌ
監督:エリック・トレダノ / オリヴィエ・ナカシュ
脚本:エリック・トレダノ / オリヴィエ・ナカシュ
撮影:マチュー・ヴァドゥピエ
音楽:ルドヴィコ・エイナウディ
衣装:イザベル・パネティエ
出演:フランソワ・クリューゼ / オマール・シー / アンヌ・ル・ニイ / オドレイ・フルーロ / クロチルド・モレ / アルバ・ガイア・クラゲード・ベルージ / グレゴワール・エステルマン

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