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ラリー・クラーク監督の「KIDS」の脚本を務めていたのが、本作の監督であるハーモニー・コリン。
決して万人受けしている作品ではなさそうだが、何か感じる部分があるのではないかと本作を手にとった。

実は、数日前に一度観ようとしたが、最初の40分で眠気に耐えられず最後まで観るのを断念。
今日ようやく最後まで観ることができた。

精神分裂病のジュリアン(ユエン・ブレムナー)と、その家族を中心とした話。
基本的に家族の構成員は皆どこか変わっている。
クロエ・セヴィニーが演じる姉パールはその中ではまともだが、身重な身体でアイススケートして転倒して流産とか、ひどい話ではある。しかも、その子どもの父親は、はっきりと明らかにはされてはいないが、おそらく弟のジュリアンなのだ。
父親の突然のキレっぷりも癇に触るが、ジュリアンが自分の子どもだったら自分はどうなるだろうと考えさせられる。
(黒沢清の監督作「CURE」の役所広司の役柄を思い出す)

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手がなかったり、目が見えなかったりする障害者が多く登場。
脚だけでドラムスティックを操り演奏するシーンは見事。

教会、ゴスペル、懺悔。
アイススケートのTVの映像。スケートリンク。
ボウリング場。

流産した子どもの父親だから一度抱かせてと看護婦に言い、そのまま家に持ち帰って抱きかかえたままベッドで寝るラストシーンは、悪くない。
特に、子どもを抱いたまま、バスに乗っているシーンが良い。

ただ、わかりやすいストーリーがあるわけではなく、手持ちの動くカメラで撮影された、過度にザラザラした質感の映像は、観客を決して落ち着かせてくれない。
好みははっきりと分かれるであろう。
見にくい映像や編集にいらいらさせられ、私にとってはつらいことこの上ない時間だった。

ドグマ95(Dogme95)という、特殊な方法で撮られた作品とのことだが、そういった撮影方法のことを含め、メイキングを観て見方を変えるのは本来の姿じゃない気がしたので、今回はメイキングに目は通さず。

ところで、邦題には入っていないが、原題にある”donkey boy”とはどういった意図で使われているんだろう。
普通のスラングの意味だとしたら…

<<追記>>
なんだかんだと言いつつ、後日、結局メイキングにも目を通した。

観客に何がうけるかという視点ではなく、監督が何を撮りたいかに貫かれている。
その世界観に、ジュリアン役のユエン・ブレムナーもクロエもどっぷりとはまり込んでいることは理解できた。

監督・脚本: ハーモニー・コリン
出演: ユエン・ブレムナー / クロエ・セヴィニー / ヴェルナー・ヘルツォーク / エバン・ニューマン / ジョイス・コリン
製作: ケイリー・ウッズ / スコット・マコーリー / ロビン・オハラ
撮影: アンソニー・ドッド・マントル
 
【世間の評価】 ※2016.6.5時点
CinemaScape: 3.4/5.0 (27人)  
Yahoo! 映画: 2.75/5.00 (4人)
IMDb: 6.6/10 (5,294人)
 
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