ふしぎわくせいきんざざ

ソ連時代のカルト映画。

以前観た『エル・トポ』のように、内容が面白かろうとそうでなかろうと、この作品は観ておきたかった。そういう、マニア心をくすぐる雰囲気が漂っている作品。

 
劇中のほとんどの場面の舞台は砂漠。
ジャンルとしてはSFコメディーになるのだろう。
ポンコツな宇宙船だったり、粗野な宇宙人たちだったりと、突っ込みどころが満載。

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支配階級であるパッツ人(左)と、被支配階級であるチャトル人(右)。
パッツ人の彼は威張ってはいるが、全体を通すと必ずしも彼が偉そうではないゆるさが良い。

彼らは、地球の言葉とは異なる独自の言葉を話すが、語彙が著しく少ない。
その中でも、いろんな意味でよく使われる「クー」という言葉の響きが、やさしさ、憎めなさを醸し出している。

宇宙船(現地語で「ペペラッツ」)をはじめとした、郷愁を誘う造形美も溢れている。
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この着陸時も悪くないが、砂漠を飛んでいる姿は特に美しかった。

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砂漠の中の観覧車。その地下に住む人々。この映画以外でも砂漠と観覧車の取り合わせのシーンも多いが、だいたい絵になる。

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檻の中に入り、ウラジミール(スタニスラフ・リュブシン)の下手なバイオリンに合わせて歌を歌い、フリをつける四人。
シュールで間抜けな絵。

バイオリンを地球から持ってきたゲデヴァン(レワン・ガブリアゼ)と、太っちょチャトル人(エフゲニー・レオーノフ)の、二人の表情がナイス。

地球から来た二人(特にウラジミール)が変に人情に厚いストーリー。

 
この映画が製作されたのは、冷戦時代。アメリカのハリウッドものに真っ向からぶつかっていないところは評価に値する。

ただ、シュール過ぎもせず、人情押しで通すこともなく、笑いの要素もほどほどで、アクションもほぼなく、美しいヒロインも登場しないため、抑揚が乏しく、やや眠気を誘った。

最後に、日本版のDVDパッケージデザインを紹介。

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このデザインも悪くない。

監督: ゲオルギー・ダネリア
脚本: ゲオルギー・ダネリア / レワス・ガブリアゼ
撮影: パーヴェル・レベシェフ
美術: アレクサンドル・サムレキン / テオドル・テジク
音楽: ギア・カンチェリ
特撮: セルゲイ・フラムツォフ
出演: スタニスラフ・リュブシン(Vladimir, Uncle Vova) / レワン・ガブリアゼ(Gedevan, violin) / エフゲニー・レオーノフ(Wef, Chatlanian, チャトル人) / ユーリー・ヤコヴレフ(Bee, Patsak, パッツ人) / Anatoliy Serenko(The Space Drifter) / Olga Mashnaya(Female teleportation officer at Alpha) / Irina Shmeleva(The Desert Stage Female Cart Driver)
 
【世間の評価】 ※2016.6.28時点
CinemaScape: 4.0/5.0 (183人)  
Yahoo! 映画: 4.10/5.00 (62人)
IMDb: 8.2/10.0 (8,652人)
Rotten Tomatoes(Critics): -/10.0 (0人)
Rotten Tomatoes(Audience): 4.4/5.0 (786人)
 
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