legrandbleu
言わずと知れたリュック・ベッソンの名作。

てっきり主演はジャン・レノだと思っていた。
とはいえ、主演じゃなくても存在感はジャン・レノ演じるエンゾがピカイチ。

自分の親しい友人が、つくづくイタリア顏だなと、ジャン・レノの弟役ロベルト(マルク・デュレ)の顔を見入ってしまった。

ロザンナ・アークウェット。
しっかり見るのは初めてかもしれない。
パルプフィクションでのぶっ飛んだピアス女の印象が強いが、そもそも自分の好み。
他の誰もがしない独特の笑い方は本作のジョアンナでも健在。
ザ・美人という顔立ちではなく、鼻の上がり方に特徴がある。

鼻っ柱が強そうな性格を思わせるが、髪にボリュームを持たせる髪型が似合って、キュート。
豊満なバディも披露されていた。
列車から降りる際に、荷物を雑に扱うところにキャラクターを出させている。
ちょっと古いが、斉藤慶子にどことなく似ていると思い至った。

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ジャック・マイヨール(実際の発音は「メイヨー」に近い)を演じる主演のジャン・マルク・バールは良い面構え。
インパクトは、ペルーで変なゴーグルをして建物から出てくる最初の登場シーンが一番強く、後はさほど強くない。エンゾに印象で負けているだけでなく、ジョアンナにも存在感で負けている。
しかしそれでも、彼が青いウェットスーツで、最初の競技潜水に臨むスローモーションのシーンが、本作品の中で一番美しいと感じた。

結末は予めは知らなかったが、こういう映画の性格上、ジャックもしくはエンゾが死んでしまうだろうと。そのシーンは見たくないなと思いながら観ていた。
エンゾの死因は何なのだろう。海面上に戻ってからも虫の息ながらジャックとは会話していたし。

ジャックやエンゾの家庭の経緯も特に説明がないように、フリーダイビングの危険性や死因についても説明的な描写が省かれていた。
今回見た完全版は2時間40分を超す長尺だが、それでも説明が足りないというのはある意味凄い。

ジャックの自由気ままな、ある意味社会的でない行動。
ジョアンナは気が気でないのが伝わってくるし、自分がその立場だったらたまらないなと考えてしまう。
そこが結構強調されているストーリーのため、主人公への共感がしずらいのが難点だった。

また、物語の本筋とは関係ないが、舞台がギリシアやイタリアとなっても、英語がベースとなっている点が気になってしまった。(なんと、フランス版は、出演者がフランス語に後から吹き替えているらしい)
また、会話の英語が比較的簡単(舞台が欧米じゃないからだろう)だったこともあって、字幕を読む前に内容がわかる箇所が多かった。そのため、英語で2文からなる会話を、日本語では順序を変えて2文目を最初に訳したりしていたりすると、1文目のタイミングで会話全体の意図がわかり興が覚めてしまうところもあった。
これは、中途半端に英語がわかるものの宿命なのだろう。とはいえ、他の映画であまり気になったことはないから、この映画に潜む何かしらかの理由があるのだろう。

それにしても、ジョアンナがジャックに会いたくて、上司を騙してシチリアへの出張を作り出すシーンの、日本のドラマ的な安っぽさ。
また、潜水の日本人参加者の一団がピエロ的に登場させられているのもひっかかるポイントではあった。

ラスト、「娘のジュリエットに捧ぐ」とメッセージが出るが、このジュリエットはジャックの恋人のこと?と思ったらそれはジョアンナだった。外国人の名前は覚えるのが本当に下手。
調べたら、ジュリエットはリュック・ベッソンの娘で、父親がこの映画の撮影をしている間に病気になり手術を受けたとのこと。

今回見たのはディレクターズカット版であるが、wikipediaによると、厳密には無編集版であり、本当のディレクターズカット版はこれをベースに36分間をカットした、フランス公開版とのこと。日本でも98年にオリジナルバージョン(フランス語)として公開されたらしい。なんだかややこしい。どちらかというと、そのオリジナルバージョンのほうが見たいもの。

最後にジャン・レノの強烈なビジュアルの一枚を。

jeanreno

製作:パトリス・ルドゥー
監督:リュック・べッソン
脚本:リュック・べッソン / ロバート・ガーランド
原案:リュック・べッソン
撮影:カルロ・ヴァリーニ
音楽:エリック・セラ
出演:ロザンナ・アークェット / ジャン・マルク・バール / ジャン・レノ / バレンティナ・バルガス