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リトル・フォレスト 夏・秋』の続編。
前編が新鮮かつ味わい深かったので、楽しみにしていた。

 
後編も基本的には同じテイストを継承。

穏やかな気持ちで見れる。食欲も刺激される。

ストーリー的には、家を出て行った母からの手紙が、登場時間は少ないが核となっている。
ところどころ、いち子が回想し、その手紙から何らかの影響を受けていることが控えめながらも伝わってくる。

もう一つ、前編との違いは、キッコやユウ太との軽いながらも、いち子には刺さる内容での衝突。
こちらも話に凹凸を与えていた。

相変わらず良い映画だ。
ただ、前編を見た時ほどの驚きはなかった。それはまあ仕方あるめえ。

以下、食べ物を中心に(笑)、印象に残ったシーンを振り返る。軽くネタバレあり。

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作物を、料理を、手間をかけてひとつひとつ作ってる姿に、憧れの念を抱く。
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つきたてのお餅に、砂糖醤油で味をつけた納豆を絡める「納豆もち」が、個人的には後編のベストディッシュだった。
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母から作り方を教えてもらえず、今はどう工夫して作ってもフワッフワには作れない、ジャガイモのパン「パン・ア・ラ・ポム・ド・テール」。
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こちらも母直伝のレシピ。カボチャと黒米の甘酒のスポンジに、生クリームでコーティングするケーキ。
キッコ、ユウ太とともにケーキを味わうが、クリスチャンじゃないので、クリスマス会ではなく、年忘れお茶会の名目。
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塩マスとノビルと白菜の蕾菜のパスタ。彩りも良し。
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ばっけ味噌(ふきのとう味噌)。ご飯のお供としても、お湯をかけて味噌汁としても楽しめる。

この投稿のサムネイル画像の汁物が、確かはっと汁。ワンタンのようなものが入っていて、素朴な味がしそうな雰囲気。

 
上でも書いたとおり、キッコやユウ太との軽い衝突が話に凹凸を与えている。

キッコがいち子に投げかける
「エラそうなことを言うけど、いつも口先だけじゃない」
「人にとやかく言えるほど、他人ときちんと向かいあって来たの?」
って言葉は、自分にも刺さった。

人知れず思い悩むいち子。
小森に住む人々に対する思い、自分はこのままでいいのかという自問自答。
そういう秘めたるいち子の心模様が、控えめに差し込まれる。

いち子を演じる橋本愛に清潔感があり、作業の手際も良く、料理の見栄えも良いから、田舎暮らしの大変な面はあまり感じられない。
例えば、冬の間の連日の雪かきはかなりの重労働だと思うが、その大変さ加減をアピールしたりはしない作風。
一軒家での一人暮らし。寂しさもあるだろうが、それも出さない。

決断して村を出て行くいち子。
ここには驚かされた。

そして数年後に夫を連れて戻ってくる。
ラストの神楽の演奏、踊りは素人ながら見応えあり。
こんな小さな村でありながら、歌い手、奏で手、衣装、踊り手。しっかりしたものを披露していて感心。
橋本愛は東北に通って踊りを習い、すべて本人が踊っているという。

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キッコを演じる松岡茉優。表情豊かで魅力ある。左利きなのも個人的にポイント高い。

自然や食物への畏敬の念が感じられ、それでいて、田舎での人生を楽しんでいる。
そんな人間をやさしく映し出している作品。
ストーリー性は控えめながらも、きちんと筋が通っていて、ただの映像が美しい作品にとどまらない。

こういう映画があってもいい。
そう、心から思える作品。

製作総指揮: 高橋敏弘
製作: 守屋圭一郎、石田聡子
監督: 森淳一
脚本: 森淳一
原作: 五十嵐大介
撮影: 小野寺幸浩
美術: 禪川幸久
音楽: 宮内優里
主題歌: FLOWER FLOWER「冬」「春」
衣装: 宮本茉莉
特撮: 樋口良
出演: 橋本愛(いち子)、三浦貴大(ユウ太)、松岡茉優(キッコ)、温水洋一(シゲユキ)、桐島かれん(福子)、岩手太郎(キッコの祖父)、北上奈緒(キッコの祖母)、小島康志(郵便屋)、イアン・ムーア(ウィリアム)、佐藤さち子(近所の主婦)、千葉登喜代(近所の主婦)、篠川桃音(小学生時代のいち子)、照井麻友(小学生時代のキッコ)、栗原吾郎(スーパーのアルバイトの男性)、坂場元(アルバイト)、渡辺佑太朗(アルバイト)
配給: 松竹メディア事業部
企画・制作プロダクション: ロボット
製作: 「リトル・フォレスト」製作委員会(松竹、ロボット、電通、GyaO!、講談社、読売新聞社、アクティブ・シネ・クラブ)
公開: 2015年2月14日
 
【世間の評価】 ※2017.2.28時点
CinemaScape: 3.5/5.0 (2人) 
Filmarks: 4.0/5.0 (3,090人) 
Yahoo! 映画: 4.16/5.00 (283人)
IMDb: 7.7/10.0 (768人)
Rotten Tomatoes(Critics): -/10.0 (-人)
Rotten Tomatoes(Audience): -/5.0 (-人)
 
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