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なんとなく、キューブリック作品であり、かつ、ナボコフの文学作品が原作だからと、重厚感溢れる作品を勝手にイメージして観始めてしまったが、よくよく考えると、有名なロリータの登場シーンにはじまり、ハンバート教授の溺愛ぶりや、エキセントリックな作家キルティは言うまでもなく、ストーリーの端々に過剰なまでのオフザケが仕込まれている、とんでもストーリーだった。

真面目に捉えた自分が間違っていた気が、今はしている。

「ロリータ」のあらすじ

パリからアメリカに渡り、フランス詩の翻訳で好評を得ていたハンバート教授。夏の休暇を過ごそうと田舎町で下宿の家を探し、ヘイズ夫人の家を訪れるが、そこで出会った少女ロリータの未熟な妖しい美しさに心を奪われてしまう。ロリータと一緒にいたいがためだけに、ロリータの母で未亡人のシャーロットと結婚するが、本心を知ったシャーロットは逆上し、道に飛び出して事故死してしまう。念願叶い、ロリータと2人きりになったハンバートは、独占欲と愛欲に駆られ、ロリータを連れて放浪の自動車旅行に出る。しかし、自分たちを追跡している車に気づき……。

簡単にストーリーを要約すると、よく喋る身勝手な中年男が、娘のような歳の女の子に恋をし、最終的には裏切られるというお話。

この男ハンバート教授を演じるジェームズ・メイソンが、ある意味うまいんだが、虫酸が走るキャラクター。しかもたいした二面性がなく平面的な存在で面白みがない。自分は彼がどうしても受け入れられなかった

そしてそれにも増して、あまり驚きのない展開だったのも不満だった。

以下、ネタバレも含みつつ、印象に残ったシーンを振り返る。

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基本的に、ベタ過ぎるか、過剰過ぎる演出のオンパレード。それが良くも悪くもある。
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ドライブインシアター的なところにて、車前列ベンチシートで三人並んで映画を観る。手を握ったりと、ベタで過剰な演出が微笑ましいシーン。。

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日光浴をしながら、庭で読書。すました顔でサングラスを外し、やわらかい笑顔でほほ笑む。
あまりに有名なこのシーンは、確かにインパクトあり。こうやって静止画で観ても、かなりパンチが効いていることがわかる。

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舞台が終わった後、友だちの家に寄らず家に帰ってきたロリータ。ハンバートはメロメロ。
舞台用のメイクということもあるが、ロリータは別人のよう。

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(ハンバート側からの一方的な)逃避行中の二人。コーラをストローで飲む仕草と、この髪型。攻めてくるなあ。

このように、ロリータを演じるスー・リオンは危うさと天真爛漫らを併せ持ち確かに魅力的ではあった。しかし、強く惹かれるほどではなかった。顔立ちがキレイ過ぎるからだろうか。個人的には、『バッファロー66』のクリスティーナ・リッチに軍配を上げたい。

博士の異常な愛情~』と同様、本作でも、エキセントリックな役をピーター・セラーズが演じている。キューブリックは彼を相当買っていることがよくわかった。
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踊るキルティ(ピーター・セラーズ)&ヴィヴィアン(マリアン・ストーン)。キルティは不思議な雰囲気をたたえている。
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舞台袖のロリータと、キルティ&ヴィヴィアン。深い意味はないはずだが、ヴィヴィアンの思わせぶりな表情と視線に目を惹かれる。

 
DVD等のパッケージが、ロリータが赤いキャンディを舐めているもので、その印象が強いのでてっきりカラーだと思っていたら、まさかのモノクロだったのも驚きだった。

監督: スタンリー・キューブリック
脚本: ウラジミール・ナボコフ
原作: ウラジミール・ナボコフ
撮影: オズワルド・モリス
出演: ジェームズ・メイソン(ハンバート・ハンバート教授)、スー・リオン(ドロレス”ロリータ”・ヘイズ)、シェリー・ウィンターズ(シャーロット・ヘイズ、ロリータの母)、ピーター・セラーズ(クレア・キルティ)、マリアン・ストーン(ヴィヴィアン、キルティと行動を共にする女)、ロイス・マクスウェル(メアリー、看護師、ハンバートに何度も駐車場の車を動かすよう催促)、リチャード・T・シラー(ロリータの結婚相手、耳が悪い)、ジェリー・ストービン(ジョン・ファーロウ、ハンバートの友人)、ダイアナ・デッカー(ジーン・ファーロウ、ジョンの妻)
編集: アンソニー・ハーヴェイ
製作会社: メトロ・ゴールドウィン・メイヤー、セヴン・アーツ・プロダクションズ 他
配給: メトロ・ゴールドウィン・メイヤー
公開: 1962年6月12日(米)、1962年9月22日(日)
上映時間: 152分
製作費: $2,000,000
 
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