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カリスマ的人気を誇る劇団、ポツドールの脚本・演出家である、三浦大輔氏による監督作品。

自分が演劇にハマったきっかけを作ったのはポツドールの2002年の作品『騎士クラブ(再演)』。この作品に痺れ、その後のポツドールの舞台作品の大半は、劇場まで足を運んで観ている。
彼の映画初監督作である『ボーイズ・オン・ザ・ラン』も映画館で観た。
そのぐらいの三浦ファンではある。

本作は映画サイトでの評価はあまり高くはなかったが、彼の作品には観客の顔を背けさせるアクの強さがつきもの。
だから、一般的な評価はあてにならないと考え、今回チョイスした。

 
結果的には、演劇版には届かず。

役者も面白いところを集めているし、絵の構図も悪くないんだが、舞台にあった良さが消えてしまっていた。
何よりも違ったのが、場の緊張感と、これから何が起こるんだろうというワクワク感。

また、舞台版と違い、実際に女性陣の裸も映り、セックスシーンも映されるため、想像力に訴えかけるチカラが弱かった。
脱がれると、「あ、この女優さん脱いだ!?」と映画の内容とは違うところに意識が持っていかれてしまう。
それは必ずしもプラスではない。

同じ三浦さんの舞台が原作のものでも、大根さんが監督の『恋の渦』のほうが、断然自分好みだった。
三浦さんならではの、もっとえぐってえぐってえぐりまくる作品を観たかった。

以下、印象に残ったシーンを振り返る。

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冒頭の固い会話から、セックスシーンに移行する間に、もっと生々しさが欲しかった。
舞台では感じられる生々しさが、映像になると弱まってしまうのかもしれない。
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まだ場が温まっていない状況で、探りながら女性のほうへ近づいてくる滝藤賢一。固い感じが良し。
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滝藤さんと中村映里子の含み笑い。後ろで俯く池松壮亮。中村映里子は何とも言えない笑い方をする。
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普通に考えて、このクラスの子らが乱交パーティに参加するはずがないという容姿のお二人。
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タオル姿の大勢でのショット。駒木根隆介が写っているからというのもあるが、なんだかコミカルに感じる。
駒木根さんを見ると、どうしても『サイタマノラッパー』での彼を思い出してしまう。終わってみれば、駒木根さんが結果的に美味しい役だった。

主演は、池松壮亮と門脇麦だが、際立って彼らを目立たせる内容ではなかった。
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向かい合う二人。儀式的な絵。
こういうところ、こだわってるなあというのがわかりやすく伝わってくる。
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背面騎乗位で行為に熱中する主演の二人と、それを見る新井&三津谷ペア。三津谷葉子の寝っ転がって足を曲げている姿が可愛らしい。

おとなしい時とスイッチが入った時の門脇麦の切り替えは見事。
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アグレッシブな新井浩文が門脇麦を攻めるのを、遠くから眺める池松壮亮。
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途中から参加するカップル。柄本時生も信江勇も、どちらもビジュアル的には強烈。
柄本時生は『聖の青春』に続き、クセのある役。
「お前、なんでガチでやってんだよ~」「高度なギャグだろ」っていうキャラクターのかわいらしさ。
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冒頭で、ルールを説明する店長。田中哲司はいい味出していた。
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店員の窪塚も、かったるそうな感じはハマっていた。

ラスト、門脇と池松の喫茶店のくだりは映画オリジナル。悪くはなかった。が、めっちゃいいってほどでもないか。

舞台版のラストは、店のスタッフが一人、部屋でオナニーしているところで終了だった(はず)。
さすがにそれはなく、子どもが生まれたメールが届いて終了。

今まさに上映している『何者』も、あまり良い評価は得られていなそうな三浦さんではあるが、彼の感性には他の作家とは違うものがあるのは間違いないので、引き続き彼の作品は注目していきたい。

製作: 間宮登良松、藤本款、加藤和夫、岡田真、木村俊樹
監督: 三浦大輔
脚本: 三浦大輔
原作: 三浦大輔
撮影: 早坂伸
美術: 露木恵美子
音楽: 海田庄吾
出演: 池松壮亮(ニート)、門脇麦(女子大生)、新井浩文(フリーター)、滝藤賢一(サラリーマン)、三津谷葉子(OL)、中村映里子(保育士)、駒木根隆介(童貞)、赤澤ムック(常連、※当時の芸名は赤澤セリ)、柄本時生(カップル男)、信江勇(カップル女)、窪塚洋介(店員)、田中哲司(店長)
編集: 堀善介
制作会社: ステアウェイ
製作会社: 東映ビデオ、クロックワークス
配給: クロックワークス
公開: 2014年3月1日(日)
上映時間: 123分
 
【世間の評価】 ※2017.2.27時点
CinemaScape: 3.1/5.0 (22人) 
Filmarks: 3.2/5.0 (9,134人) 
Yahoo! 映画: 3.20/5.00 (614人)
IMDb: 6.6/10.0 (187人)
Rotten Tomatoes(Critics): -/10.0 (-人)
Rotten Tomatoes(Audience): 3.0/5.0 (16人)
 
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