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言わずとしれたメル・ギブソンの出世作。

メル・ギブソンが若い。言われないと本人だと気づかないほど。
近未来らしいが、とてもそうは感じさせない映像。

トーカッター(ヒュー・キース・バーン)率いる凶悪な暴走族たちが、ねっとりとした狂気をはらんでいて、見ていて気持ちが悪くなるほど。

そして、実際の暴力シーンについては直接描写は避けるという、徹底的に想像力にうったえる見せ方が上手い。
低予算感は伝わってくるが、それを上回る工夫も感じられる。

「マッドマックス」のあらすじ

舞台は、暴走族による凶悪事件が多発する近未来の荒廃したオーストラリア。追跡専門パトカー「インターセプター」に乗る警察官マックスは、暴走族で警官殺しの凶悪犯ナイトライダーを追跡。追い詰められたナイトライダーは運転を誤り事故死する。ナイトライダーの死を知ったトーカッター率いる暴走族は、報復として無法な行為を繰り返し、遂にはマックスの親しい同僚グースが殺される。そして、妻と子にまで暴走族の手が伸びた時、マックスは復讐の鬼“マッド・マックス”と化し暴走族に立ち向かう…。

先日観た、奇しくもほぼ同時代の映画である『ダーティハリー』以上に”マッド”となったマックスは、非情に暴走族らを始末していく。

敵役らが醸し出す気持ち悪さに拒否感があるため、低い評価となったが、当時話題となり根強いファンがいることは納得できる作品だ。

以下、ネタバレも含みつつ、印象に残ったシーンを振り返る。

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本作への個人的評価が低い要因の一つとして、マックスの印象が薄いという点があげられる。
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顔の特徴が薄いからだろうか。歳をとってからの絶対いい顔だと思う。

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妻のジェシー。トーカッターたちが迫ってくるシーンでは、思わせぶりの余韻を持つシーンが挟まれたり、追いかけてくるのもじわじわ森の中でせまってきたりと、心理的にこちらも追い詰められていく。

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トーカッターを演じるヒュー・キース・バーン。静止画では伝わりづらいが、映画の中では強い存在感を示していた。

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ジョニー・ザ・ボーイの投石により横転させられてしまう悲運なグース。

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大筋とは関係ないが、ライフルのスコープで屋外セックス中のカップルを覗く、威勢はいいが怠慢なセダン追跡班のループ(スティーヴ・ミリチャンプ)。登場シーンは少ないが、なぜか印象に残る。

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農場主の老女(シェイラ・フローランス)と、知的障害を持つ農場の男性(老女の息子? マックス・フェアチャイルド)。車やバイクへのこだわりが強い本作だが、この赤いバンもカッコいい。調べたところ、GM系列のホールデン(Holden)というメーカーのSandman HJという1975年のモデルとのこと。ホールデンは唯一のオーストラリア自国独自ブランドの車メーカーで、その存在を初めて知った。

ラスト、死人からブーツを奪おうとしているジョニー・ザ・ボーイを発見。
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足首と車を手錠で結び、漏れているガソリンにライターの火が引火するように仕掛けたマックスは、金ノコを渡し、手錠は10分、足首なら5分で切れると言って立ち去る。

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そして、アウトバックを車を走らせているところを前から撮っているショットで、後方で爆発。
カメラは切り替わり、フロントガラスから道路の景色が見えるなか、エンドクレジットへと遷移する。

この静かな終わり方は、嫌いじゃない。

 
最後に、バージョン違いのチラシ・DVDパッケージデザインを紹介。
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日本語版。コピーのダサさに時代を感じる。

製作: バイロン・ケネディ
監督: ジョージ・ミラー
脚本: ジョージ・ミラー、ジェームズ・マッコーズランド
原案: ジョージ・ミラー、バイロン・ケネディ
撮影: デヴィッド・エグビー
美術: ジョン・ダウディング
音楽: ブライアン・メイ
衣装: クレア・グリフィン
出演: メル・ギブソン(マックス・ロカタンスキー)、ジョアン・サミュエル(ジェシー・ロカタンスキー、妻)、ヒュー・キース・バーン(トーカッター)、スティーブ・ビズリー(ジム・グース、相棒、不死身のグースの呼ばれる)、ジョフ・パリー(ババ・ザネッティ)、ティム・バーンズ(ジョニー・ザ・ボーイ、一度捕まるが釈放、ラストでマックスに厳しい選択を迫られる)、ロジャー・ワード(フィフィ・マカフィー、マックスの上司)、ヴィンス・ギル(ナイトライダー)、スティーヴ・ミリチャンプ(ループ、セダン追跡班)、ジョン・リー(チャーリー、ループの運転事故により大怪我)、スティーヴン・クラーク(サース、追跡官)、シェイラ・フローランス(マイ・スワイセイ、農場主の老女)、マックス・フェアチャイルド(ベンノ、農場の男性、知能発達障害を持つ)、ルル・ピンカス(ナイトライダーの女)、ブレンダン・ヒース(スプローグ・ロカタンスキー、マックスとジェシーの息子)、レッグ・エヴァンス(駅長)、Robina Chaffey(歌手)
編集: クリフ・ヘイズ、トニー・パターソン
配給: ワーナー・ブラザース
公開: 1979年4月12日(豪)、1979年12月15日(日)
上映時間: 93分
製作費: $350,000
興行収入: $8,750,000(内、日本は11億円)
 
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