minorityreport

スピルバーグ監督、トム・クルーズ主演。
こういった大作はどちらかというと苦手な自分ではあるが、何となくこれは気楽に観れそうかと思い、手にとった。

 
西暦2054年のワシントンD.C.が舞台。
あと27年でこうなるとは到底思えないが。

近未来を作り出すことに相当力が入れられている。
ところどころ懐かしさを感じるエッセンスも散りばめられており、冷静に考えるとアンバランスなのだが、その世界観に浸っているのは不快ではない。

ただし、ストーリーそのものに面白みがあるかというと、物足りなさを感じざるをえない。

以下、印象に残ったシーンを、いつもより写真を多めに使って振り返る。
というのも、絵になるシーンが多い映画ではあるから。

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特徴的な設定として、予知能力があるプリコグという存在がある。
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プールのような空間にずっと浮いたままで生活しているプリコグ達。部屋の光の具合や三人の並び方等々含め、印象的なショットではある。

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浮かぶアガサ(サマンサ・モートン)。美しいショットではあるが、血色が凄いことになっている。

 
プリコグ達の予知と連携して動く殺人予知システム。
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そのシステムを操作するジョン。ここから出てくる「殺害される人」と「殺害する人」の名前が表示されたボール。そこに他のシステムの近未来さとのアンバランスさを感じる。もちろん嫌いではなく、『ピタゴラスイッチ』を観たときのような安心感はあるが、これが近未来とそぐうのかというと疑問。

 
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指名手配され、運転もできずドアをロックされるジョン。そこから逃げ出すこのシーンは、浮遊感がありスカっとする。

 
目ん玉自体を取り換える手術を受ける選択をするジョン。
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手術前のジョン。不衛生そうな部屋がナイス。

ジョンに昔捕まった元受刑者である手術医(ピーター・ストーメア)に、手術後、「目をかくな」「タイマーが鳴る前に眼帯をとったら失明する」と言われているなかで、冷蔵庫の中の腐ったサンドウィッチと牛乳を飲み吐き出し苦悶する姿は、リアリティがあって共感を呼ぶ。

元の職場の仲間たちが温感センサーと光彩で個人識別をするスパイダーで建物内の人間を調べ、彼は氷水をはった風呂桶の中に潜み、最終的には息がもたずスパイダーにみつかりながらも光彩チェックで別人と識別され難を逃れる一連は、なかなか見応えあった。
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スパイダーに光彩チェックされるシーン。

 
脇を固める役者たちも、なかなか魅力的だった。

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逃亡中のジョンの席に座るウィットワー(コリン・ファレル)。嫌らしい脚本だが、ここで観客は彼への反感を抱く。

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先日観た『愛の風景』でも好演していたマックス・フォンシドーがここにも。

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アガサの歯みがきをするウォリー(ダニエル・ロンドン)。偏執的ではあるが、よくよく考えると、こんな時代でも歯ブラシで歯みがきをするのだな。

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登場シーン少ないが、ジョンの離婚した奥さん役のキャスリン・モリスが美しい。

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システムの考案者であるアイリス・ハイネマン博士(ロイス・スミス)。なぜ彼女はジョンにキスをしたのか。

 
近未来っぽさといえば、組み立て工場でのウィットワーとのアクションにも絡んで、レクサスのコンセプトカー的な赤い車が印象に残る。
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プロダクトプレイスメントなのだろう。現在のレクサスとのイメージの乖離が激しいが。

 
アガサの助けも借りながら、自分が殺人を犯すとされている現場へジョンが向かうシーンはワクワクした。
果たしてその現場で何が起きるのかには、強い興味を持った。
しかし、そこがピークだったかもしれない。

真犯人の正体、幕の引き方、ともども納得感はあるが、意外性があるとまではいえない。

 
最後にバージョン違いの、チラシ・ポスターデザインを一枚紹介。
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トムの躍動感が抑えられ、不気味さが増す。
自分としてはこちらのほうが好みだが、上の一般的なやつのほうが興行成績には貢献しそうではある。

監督: スティーヴン・スピルバーグ
脚本: ジョン・コーエン、スコット・フランク
原作: フィリップ・K・ディック『少数報告』
製作: ボニー・カーティス、ジェラルド・R・モーレン、ヤン・デ・ボン、ウォルター・F・パークス
製作総指揮: ゲイリー・ゴールドマン、ロナルド・シャセット
出演: トム・クルーズ(ジョン・アンダートン)、コリン・ファレル(ダニー・ウィットワー)、サマンサ・モートン(アガサ)、マックス・フォン・シドー(ラマー・バージェス局長)、キャスリン・モリス(ララ・クラーク、ジョンの前妻)、ダニエル・ロンドン(ウォリー、the Caretaker)、ロイス・スミス(アイリス・ハイネマン博士)、ピーター・ストーメア(エディ・ソロモン医師)、ティム・ブレイク・ネルソン(ギデオン、収容所管理人)、スティーヴ・ハリス(ジャッド、黒人の同僚)、マイク・バインダー(リオ・クロウ)、ニール・マクドノー(フレッチャー、逞しい金髪の同僚)、パトリック・キルパトリック(ノット)、ジェシカ・キャプショー(Evanna、同僚)、アンナ・マリア・ホースフォード(Casey)、サラ・シモンズ(ラマーの秘書)、マイケル・ディックマン(Arthur, precog)、マシュー・ディックマン(Dashiell, precog)、タイラー・パトリック・ジョーンズ(older Sean)、ドミニク・スコット・ケイ(younger Sean)、アリー・グロス(最初の殺人未遂事件の夫)、アシュリー・クロー(最初の殺人未遂事件の妻)、Donald Dubin(最初の殺人未遂事件の妻の不倫相手)、ジェシカ・ハーパー(アン・ライブリー)、ジェイソン・アントーン(ルーファス・ライリー、サイバーパーラー経営者)、スコット・フランク(Cyber Parlor customer)、キャロライン・ラガーフェルト(Greta van Eyck、ソロモン医師の助手的看護婦)、パメラ・ロバーツ(温感センサーで調査される建物で暴力的な妻)、クレメント・ブレイク(その夫)、ナンシー・リンハン・チャールズ(ラマーの妻)、ウィリアム・メイポーザー(ホテル受付)、デイビット・シュティーフェル(吸入型ドラッグの売人)、ボニー・モーガン(曲芸師、ヨガクラス)、キャメロン・クロウ(新聞の速報を見てジョンを発見する男性乗客)
音楽: ジョン・ウィリアムズ
撮影: ヤヌス・カミンスキー
編集: マイケル・カーン
製作会社: ドリームワークス、20世紀フォックス、クルーズ/ワグナー・プロダクションズ
配給: 20世紀フォックス
公開: 2002年6月17日(米)、2002年12月7日(日)
上映時間: 145分
製作費: $102,000,000
興行収入: $358,372,926
 
【世間の評価】 ※2017.1.16時点
CinemaScape: 3.3/5.0 (465人) 
Filmarks: 3.6/5.0 (10,797人) 
Yahoo! 映画: 3.67/5.00 (919人)
IMDb: 7.7/10.0 (412,375人)
Rotten Tomatoes(Critics): 8.1/10.0 (245人)
Rotten Tomatoes(Audience): 3.4/5.0 (480,008人)
 
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