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TVでやっていた吹き替え版を、あまり期待しないで観始めたら、思いのほか面白かった。
ここ最近、アニメ作品がまったくささらない自分を感じていただけに、素直に嬉しかった。

決して、すべてのアニメ作品に対し、自分はダメというわけではないのだ。

 
では、何が自分にとって良かったのかを考えてみる。

モンスターの町の動力源が人間の子供の悲鳴だったり、一方でモンスターは人間の子どもを怖がっていたり、という物語のベースとなる発想がまず面白い。

主人公サリーとアシスタントのマイクの関係性、掛け合いも良い。ここは先日観た『シュレック』に近いものを感じる。
吹き替えは、サリーをホンジャマカの石塚英彦さんが、マイクを爆笑問題の田中さんが担当していたが、ともにいい味を出していた。
芸人パワー恐るべし。これじゃあ本職の声優さんはたまらんね。

「モンスターズ・インク」のあらすじ

子ども部屋のクローゼットの向こう側に広がるモンスターたちの世界。サリーとその相棒であるマイク・ワゾウスキは、大企業モンスターズ・インクで働いている。彼らの仕事は、モンスターシティの貴重なエネルギー源である子どもたちの悲鳴を集めること。サリーはこの会社ナンバーワンの怖がらせ屋であるが、最近の子どもは簡単には怖がってくれず、モンスターズ社の経営も苦しくなってきている。そんなある日、モンスターたちが実はもっとも怖れる人間の女の子がモンスターシティに紛れ込んでしまう。サリーとマイクは、彼女をなんとか人間の世界に戻そうと奮闘するが…

さらに、個人的にこれは良かったなという点は、ヒロインが登場しないというところ。
『シュレック』で懲りたが、ヒロインが登場すると、どうしてもそのキャラクターの好みと、恋愛映画としての好みが、映画への評価にリンクせざるをえなくなってしまう。しかし、こういうターゲットが広い映画には主人公の恋愛要素は邪魔になることが多いように感じられる。
一方で、その代わりというわけではないが、モンスターシティに迷い込んだ女の子のブーが、まだちゃんとは喋れない年頃という設定がナイス。無邪気で一番可愛い年頃で、素直に可愛さを堪能できる。

そして、最終的には、町の動力源を、子どもの悲鳴ではなく、笑い声にすることで、共存共栄をはかるという大団円。これもステキ。

TVで集中力低めで見ても、この評価。
映画館で観ていたら、★4つぐらいの衝撃は確実に受けていただろう。

以下、印象に残ったシーンを振り返る。

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モンスターたちは子どもの悲鳴を動力源としていながら、子どもたちを恐れているという設定にも驚かされた。
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サリーとマイクがブーを怖がっている様がうまく表現されているショット。
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モンスターたちが人間の子どもたちの元へ怖がらせに向かうシーンも、『アルマゲドン』風で楽しませてくれる。

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高速で動く吊り下げられている扉を使ってのチェイスシーンは、それなりの出来になっている。
ドアの仕組みだったりも含めて、ドラえもんを見ているような気分になる。

サリーとブーが引っ張っている映画だが、ブーの存在も効いている。
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ブーがトイレで歌っているシーン。可愛らしくて好きだ。
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ブーがゴミと一緒にぺちゃんこになってしまったと思っているサリー。気を失っては起き上がりまた気を失うというくだりはチャーミング。
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サリーとブーの別れのシーン。ジーンと来る。
こういうところをきっちり押さえてくれると嬉しい。

 
他の脇を固めるキャラクターについては、個性は豊かなものの、尺の短さもあってか登場時間が短かったのがもったいなく感じられた。
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敵役のランドールとアシスタントのファンガス。ランドールにはもう少し歯ごたえがあってもいい気はした。

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事務担当で、報告書の提出を求めるロズ。彼女も良い造形だし、もうちょっと登場シーンを見たかった。実は社長の不正を暴くために潜入しているCDA(Child Detection Agency)の隊長という設定はいいとしても、エンディングのNG集風の映像での印象が一番強いというのはもったいない。

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イエティも登場の必要があったのかどうかさえ怪しいが、愛すべきキャラクターだった。

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セリアも控えめな登場シーンの回数だったのが残念。このデートシーンで、マイクがイケメン風の表情をしているのもうまいなあと思わされるところ。

 
いずれにしても、子どもが観ても楽しいと思うし、大人も十分に楽しめ、かつ感情も動かされる。文句なしに素晴らしい作品だ。

 
最後に、バージョン違いのチラシ・DVDパッケージデザインを紹介。
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日本語版。ブー入り。

製作総指揮: ジョン・ラセッター、アンドリュー・スタントン
製作: ダーラ・K・アンダーソン
監督: ピート・ドクター
脚本: ダン・ガーソン、アンドリュー・スタントン
原案: ラルフ・エグルストン
美術: ティア・W・クラッター、ドミニク・ルイス
音楽: ランディ・ニューマン
主題歌: ジョン・グッドマン、ビリー・クリスタル「君がいないと」 
声の出演: 石塚英彦(ジェームズ・P・サリバン[サリー])、田中裕二(マイク・ワゾウスキ)、井上愛理(ブー)、青山穣(ランドール・ボッグス、敵)、大平透(ヘンリー・J・ウォーターヌース社長)、高乃麗(セリア・メイ、受付嬢、マイクと熱愛中)、磯辺万沙子(ロズ、事務担当のナメクジ型おばさんモンスター、実はウォーターヌースの悪事を暴くために派遣されたCDAの隊長)、立木文彦(イエティ、ヒマラヤで暮らす気の良い雪男)、牛山茂(ジェフ・ファンガス、赤い体と三つ目に眼鏡をかけたランドールのアシスタント)、高戸靖広(タデウス・フレム・バイル、新入りの怖がらせ屋、事件後はそのおっちょこちょいなところが笑いに繋がり採用される)、茶風林(ジョージ・サンダーソン、怖がらせ屋の一員、オレンジの体毛を剃られ消毒される)
編集: ジム・スチュワート、ロバート・グラハムジョーンズ
製作会社: ピクサー・アニメーション・スタジオ
配給: ブエナ・ビスタ
公開: 2001年11月2日(米)、2002年3月2日(日)
上映時間: 94分
製作費: $115,000,000
興行収入: $525,366,597(内、日本で93億7000万円)
 
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