ナポレオンダイナマイト

どこからどう見てもダメな奴、ナポレオン・ダイナマイト(ジョン・ヘダー)。
風貌はもちろん、言動、行動もすべてイケてない。

こいつはホンっトにダメな奴だと見下したり呆れたりしながら見る場面がほとんどだが、ところどころ自分のダメな面が彼を通して突きつけられているような、不思議な気分になる。
誰しも、多かれ少なかれ何かしらコンプレックスがあると思うが、それが彼を通じて意識させられるのだ。

インチキ臭い叔父さんのリコ(ジョン・グリース)と、仕事もせずにチャットにハマる30歳を過ぎた兄(アーロン・ルーエル)の二人も、ダメな大人の典型で、いろいろとひどい。

ナポレオンが通うのは、いかにも田舎っぽい雰囲気の高校。いじめっ子っぽい奴(トレヴァー・スナー)も、クラスのマドンナ的な娘(ヘイリー・ダフ)も総じて田舎臭さが感じられる。そういうところにも、自分の学生時代を投影して見させてしまう雰囲気がある。

メキシコ人のペドロ(エフレン・ラミレス)と、写真が趣味の女の子デビー(ティナ・マジョリーノ)がナポレオンに好意的なのは、むしろ不思議ではある。

以下、ややネタバレあり。

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生徒会長にペドロが立候補し、その演説の後に、急遽余興的なものをやらねばならなくなり、ナポレオンはJamiroquaiの”Canned Heat”の曲に合わせて、最近(中古ビデオを買って)ハマっているダンスを披露する。
そのダンスは決して下手ではないが、キレッキレのものではなく、通常の映画で期待するクオリティではない。
そのダンスが生徒らに評価され、ペドロも生徒会長に当選、というくだりはいささか安易で雑な気はしたが、まあ一風変わった、現代のおとぎ話だと考えれば許せる範疇ではある。

いつものように校庭で一人ぼっちでボールで遊ぶナポレオンのもとにデビーが近づき、二人でプレイする。
その様は、相変わらずダサいのだが、それまでとは違って、ほんのちょっとだけカッコ良く見える。

そんな、ナポレオンのほんのちょっとのカッコ良さや、ペドロの生徒会長に立候補するちょっとした勇気や、デビーのちょっとした可愛らしさや、ダメ兄貴がチャットで運命的な人ラフォンダ(ションドレラ・エイヴリー)に出会えたという、日常に溢れているちょっとした奇跡を味わうための映画なのかもしれない。

製作総指揮: ジェレミー・クーン / ジョリー・ウェイツ
製作: ジェレミー・クーン / ショーン・コヴェル / クリス・ワイアット
監督: ジャレッド・ヘス
脚本: ジャレッド・ヘス / ジェルーシャ・ヘス
撮影: マン・パウエル
美術: コーリー・ローレンゼン
音楽: ジョン・スウィハート
衣装: ジェルーシャ・ヘス
出演: ジョン・ヘダー(Napoleon Dynamite) / ジョン・グリース(Uncle Rico) / エフレン・ラミレス(Pedro) / アーロン・ルーエル(Kip, elder brother) / ディードリック・ベーダー(Rex, martial arts trainer) / ティナ・マジョリーノ(Deb) / サンディ・マーティン(Grandma) / ヘイリー・ダフ(Summer Wheatly) / トレヴァー・スナー(Don, Summer’s boyfriend) / ションドレラ・エイヴリー(Lafawnduh, Kip’s soulmate) / エミリー・ダン(Trisha) / ブラッケン・ジョンソン / カルメン・ブレイディ(Starla, Rex’s girlfriend or wife) / エレン・ダビン(Trisha’s mother)
 
【世間の評価】 ※2016.5.6時点
CinemaScape: 3.4/5.0 (52人)  
Yahoo! 映画: 3.79/5.00 (232人)
IMDb: 6.9/10 (158,846人)
 
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