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家族の闘病を通して、それまでバラバラだった家族が一つになっていく話。
 
よくあるストーリーかもしれないが、長男・浩介を演じる妻夫木聡と、次男・俊平を演じる池松壮亮の両名のキャラクター設定と演技に惹きつけられ、入り込んで観ることができた。

母(原田美枝子)、父(長塚京三)と合わせた家族四人ともに安定感ある演技。

観終わったあとの気分も悪くない、良質な闘病ムービー。

以下、ネタバレも含みつつ、印象に残ったシーンを振り返る。

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主要登場人物はいずれもキャラクター設定、演技ともに悪くなかったが、特に妻夫木に驚かされた。今まで観た映画でいうと、彼に対してはどの役を演じても同じような印象しか抱かなかった。しかし、本作ではまったく違う人柄で、「彼に似ているけど本当に妻夫木なのかな?」、と何度も思ったほど。

池松氏は、なんとなくイメージに合う役柄。長男ってよりも次男っぽいイメージがある。表面上は強がっているが、心の中では家族を心配している心根の優しい末っ子をうまく演じていた。
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ラッキーカラーの黄色の服を着、ラッキーナンバーの8を含んだ病院の受付番号88を手にする俊平。

 
印象に残るシーンの一つが、童心に帰ったような玲子が、俊平に家族の話をし、離れた場所で父と浩介が聞いているというシーン。
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トイレに行った帰りに、浩介が待つ部屋には戻らずに共用スペースで玲子が話し出してしまったというシチュエーションにリアリティがある。
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俊平の表情が良い。結構好きだな、ここ。

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記憶に障害が出てしまう母。あぶなかっしさも含めて、天真爛漫そうな原田美枝子がチャーミングに演じていた。
あっけらかんとしている役柄にマッチしているように感じた。
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思いつめがちな浩介に対して母が何度か言う、「そんな時はさ、笑おうよ」のセリフが、ボディブローのようにこちらの心にも響いてくる。

 
もう一つ特に秀逸に感じたのが、俊平が病院を見つけ、その後兄弟ふたりで飲むシーン。
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キャバ嬢にメールしちゃったよと、照れくさそうに告げる兄。
「深雪には言えないから、代わりにおまえに誤っておく」
ここはなんかグッと来た。

 
長塚京三氏は安定している。格好悪い役もなんのその。
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親子三人でのジョギング。父のダサさと、俊平の面倒臭いながらもつき合っている感じがハマっていた。

 
個人的に、このストーリーに重なるような経験があったため、より親身になって観てしまった。それが良くもあり、ついつい自分の事につなげて考えてしまう点では悪くもあり。

お金はたくさんあっても幸せにならないけど、ないと幸せを奪う。そんなことをあらためて感じさせられた。
主婦にして消費者金融11社で300万円の借金だったり、住宅ローン1200万円含めて会社と合わせて6000万円超の借金とか、痺れるな。
お金がなければ、手術も受けれない。

大黒柱として、もっと足掻いて生きないとと、背筋が伸びる思いがした。

製作: 竹内力、小西啓介、狩野善則、木滝和幸、若山泰親
監督: 石井裕也
脚本: 石井裕也
原作: 早見和真『ぼくたちの家族』
撮影: 藤澤順一
美術: 栗山愛
音楽: 渡邊崇
衣装: 馬場恭子
出演: 妻夫木聡(若菜浩介)、原田美枝子(若菜玲子)、池松壮亮(若菜俊平)、長塚京三(若菜克明)、黒川芽以(若菜深雪)、ユースケ・サンタマリア(浩介の上司もしくは先輩)、鶴見辰吾(悪性リンパ腫である可能性を指摘した脳外科医)、板谷由夏(執刀医)、市川実日子(俊平のバイト先バーの常連客)、梅沢昌代(深雪の母)、佐々木勝彦(深雪の父)、大鷹明良(最初の病院の担当医)、戸田昌宏、岡まゆみ、松浦佐知子、浅見小四郎、勝矢、目黒真希、内田量子、芹澤興人、渡辺道子、今村有希、小深山菜美、並河安子、岩下るり子、溝口小百合
編集: 普嶋信一
製作会社: 「ぼくたちの家族」製作委員会
配給: ファントム・フィルム(日)
公開: 2014年5月24日(日)
上映時間: 117分
興行収入: 1億円
 
【世間の評価】 ※2017.2.1時点
CinemaScape: 3.7/5.0 (10人) 
Filmarks: 3.9/5.0 (3,343人) 
Yahoo! 映画: 3.96/5.00 (394人)
IMDb: 6.9/10.0 (167人)
Rotten Tomatoes(Critics): -/10.0 (-人)
Rotten Tomatoes(Audience): 3.6/5.0 (13人)
 
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