permanentnobara

昨日観た『スカーフェイス』が、内容が重めかつ2時間50分の長尺だったので、今日は短めの尺で軽そうな邦画をチョイス。

タイトルからして緩いが、西原理恵子さん原作だったのか……

 
全体に漂う緩さはかなり好み。

のっけから登場する、パーマ屋野ばら常連の、下ネタ好き(チ〇コの話ばかり…苦笑)パンチパーマおばちゃん三人衆(町野あかり、ミヤ蝶美、嶺はるか)も期待感を煽ってくれる。

離婚し、娘(畠山紬)と実家に出戻り、高校で理科を教えるカシマ(江口洋介)とつきあっている、なおこ(菅野美穂)。この二人のキャッキャウフフな感じに最初キュンキュンさせられる。

それが、ストーリーが進むにつれて、「あれれ、二人の関係は……」って感じになり、結末を迎える。

全体的に一場面一場面が短く、どんどん次の話に移り変わる。そういう意味でテンポは悪くないが、味わい深さ不足は否めない。

そして、なんというか、現実感が希薄。

以下、ネタバレあり。

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現実感が薄いのは、ストーリーそのものがというよりも、話のつなぎ方であったり、キャラクターの掘り下げ方であったり、演出だったりによるところだろう。

幼なじみ二人(小池栄子、池脇千鶴)との関係性も嫌いではないが、この二人のキャラクターが定まりきっていないため、しっくりは来ず、違和感が残る。なおこを含めたこの3人組は子ども時代も登場するが、それと現在が結びつけにくい内容なのでキャラクターの理解には大してつながらず。

子ども時代で印象に残るのは、自転車がトラックにひかれるところと、なおこが母の当時の男が運転する車から飛び降りるところ(その男を演じるのがムロツヨシ氏。「救急車、救急車」と言いながら、車に向かって走る後姿。登場時間短い割に主張強い)ぐらい。

そう。この二人に限らず、登場人物全員がふわふわした存在で共感がしづらいのだ。
ナス農家の女と一緒に暮らしている義理の父のカズオ(宇崎竜童)だったり、電柱をチェーンソーで切って町を停電にするみっちゃんの父親(本田博太郎)だったり、ギャンブルにはまり過ぎて山で暮らし野垂れ死ぬ、ともちゃんの夫(山本浩司)だったり。

むしろ、現実感をもって見ていられた登場人物は、野ばら常連おばちゃんの三人ぐらい。

しかし、それならそれで現実感を思い切ってとっぱらった内容にしてほしかったが、なおことカシマの本当の関係性については、フラッシュバック映像で結局説明してしまっている。ここは匂わせておくに留め、お伽噺調で貫いてほしかった。

以下、何シーンかを振り返って。

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恋をしたキミちゃん(町野あかり)がパンチパーマをやめるシーン。この三人組に救われた。冒頭でなおこに「あんた最後いつやった?」と尋ねたのには虚を突かれた。「え~いつだったかな~」とはぐらかす菅野美穂もナイス。

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ともちゃんを演じる池脇千鶴。本作では際立った個性は感じられなかったが、なおこから「カシマさんとつきあってるって話をともちゃんにしたっけ?」と問われ、「もう何度も聞いたよ。でも、何度でも言えばいいよ」という趣旨の返答をするこのシーンは良かった。高知弁も彼女が一番はまっている気がした。

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みっちゃんを演じる小池栄子も悪くはないんだが、今回は役があまりよくなかった。夏木マリ演じる母親まさ子(皆から「野ばらさん」と呼ばれる)は癖がありそうないい役だったので、なおことの関係性をもうちょっと掘り下げてほしかったなとも思う。

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カシマが勤務する学校で別れる前の二人。この後の菅野美穂がたまらないんだ。

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ナチュラルな菅野美穂が、ナチュラルな役柄を演じている。それを楽しむには悪くない作品ではある。

製作総指揮: 春名慶
製作: 松本整 / 鈴木ゆたか / 中村陽介 / 石田雄治 / 藤田滋生
監督: 吉田大八
脚本: 奥寺佐渡子
原作: 西原理恵子
撮影: 近藤龍人
美術: 富田麻友美
音楽: 福原まり
衣装: 小里幸子 / 谷口みゆき
出演: 菅野美穂(なおこ) / 小池栄子(みっちゃん) / 池脇千鶴(ともちゃん) / 畠山紬(もも、娘) / 宇崎竜童(カズオ、ニューお父ちゃん) / 夏木マリ(まさ子、お母ちゃん) / 江口洋介(カシマ) / 加藤虎ノ介(ヒサシ、みっちゃんの夫) / 山本浩司(ユウジ、ともちゃんの夫) / 町野あかり(キミちゃん) / ミヤ蝶美(ノリちゃん) / 嶺はるか(マリちゃん) / 本田博太郎(みっちゃんの父) / ムロツヨシ(まさ子の昔の男) / 霧島れいか / 汐見ゆかり / 田村泰二郎(キミちゃんにはたき込みされる男) / 佐々木りお / 佐藤麻里絵 / 木村彩由実 / 平田伊梨亜 / 岡部幸子 / 路井恵美子
配給: ショウゲート
公開: 2010年5月22日(日)
上映時間: 100分
 
【世間の評価】 ※2016.10.6時点
CinemaScape: 3.6/5.0 (47人) 
Filmarks: 3.7/5.0 (4,089人) 
Yahoo! 映画: 3.89/5.00 (540人)
IMDb: 7.0/10.0 (105人)
Rotten Tomatoes(Critics): -/10.0 (0人)
Rotten Tomatoes(Audience): -/5.0 (2人)
 
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