rouningai

買ったまま観ずに5年は経っている、しかも観ようとトライしたことすらない、いわくつきのDVD。

それはひとえに尺の長さ(152分)、そして、出ている俳優陣は豪華ではあるが、時代ものであるという点が、腰を重くさせていた。

しかし、結論から言うと、観てよかった

 
大枠のストーリーとしては、さほど変わったところはないが、各キャラクターが愛すべきものとして描かれており、彼らが舞台いっぱいに躍動しているのが最大の魅力。

役者陣の中では、中村獅童、唐沢寿明、松たか子の印象が強い。

nakamurashidou

特に、獅童演じる赤牛には笑いの要素が多く、舞台の緊張感を見事に和らげている。
緊張と緩和が混じりあってる作品のほうが、自分は好きなのだなということをあらためて実感。

ダメなヒーロー荒牧源内(唐沢寿明)も、お前のためには死ねないと言いつつも、結局お新(松たか子)に惚れていて、助けに行ってしまうあたりの描き方が、ベタではあるが好感が持てた。
舞台らしく、「おいお新、お前の目には何が映ってるんだい? おれの目にはお前しか映ってねえんだよ」と大声で何度も月に語りかけるシーンも、気恥ずかしくもあるが、悪くない。

ただ、田中美里演じる千鶴も彼にメロメロなわけだが、そういうモテそうな演出はさほどされていないように感じた。もしかすると、それは私が気づいていないだけで、女性客には惹かれる要素が伝わっているいるのかもしれない。

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権兵衛を演じる伊原剛志は損な役回り。
唐沢寿明と獅童の間に挟まれて目立ちにくいし、松たか子もものにできない。

鈴木一真演じる旗本の弟役は、獅童に友達になってくれと云うなど、可愛らしく描かれていた。
彼の良さが出ているのか見極められるほどの登場シーンの長さではなかったのがやや残念。

一番の見せ場である、小恋の森での殺陣は、おそらく舞台で見れば迫力満点で満足できただろうが、映像で観ると、もちろん迫力は伝わってはくるのだが、あの長さだと間延びしてしまう。
アップで見ると嘘臭さも出てしまうし、ここは難しいところ。

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とはいえ、唐沢寿明をはじめ、このシーンにかける意気込みは十分すぎるほど伝わってきた。

ラスト、権兵衛との別れのシーンで、お新が権兵衛に巾着切りをして財布を掏り、してやったりの顔をする。
それをとがめる荒牧源内に、「あんたを養うためには、これぐらいじゃ足りないんだよ」と言い放つ強さ。
この終わり方も嫌いじゃない。

いずれにせよ、トータル的には一流のエンターテインメントに仕上がっていることは間違いない。

脚本: マキノノゾミ
演出: 山田和也
主題曲: 坂本龍一
衣装デザイン: ワダエミ
出演: 唐沢寿明、松たか子、中村獅童、田中美里、成宮寛貴、田山涼成、升毅、鈴木一真、伊原剛志、花王おさむ、木下政治、奥田達士、荻野恵理
原作: 山上伊太郎
美術: 堀尾幸男
照明: 小川幾雄
音響: 山本浩一
音楽: 沢田完
殺陣: 渥美博
公演期間: 2004年5月~6月 東京
上演時間: 152分
 
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