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こちらも、ANAの機内にて。

棋士の話だというのは何となく知ってはいたが、闘病の末に亡くなっていたこと、天才・羽生善治に匹敵する才能を持っていたことなどは知らなかった。

そう、偶然ながら、私は3作連続で闘病モノを観る事になった。

 
主人公の村山聖がふっくらとした体型だったということもあり、まず目が行くのは彼を演じる松山ケンイチのふくよかさ、顎のライン。

村山氏がどういう方なのかを知らないので比較はできないが、演技も悪くない。

村山は5歳からネフローゼという病を患っている。
それがわかった際に、医者が、病院に早く連れてこなかったと母親(竹下景子)を責めるシーンがあるが、かなりイラっとさせられる。ひどい話。
そして彼は、プロ棋士になった後、27歳に膀胱がんであることが判明する。

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マツケンに負けず劣らずく、羽生を演じる東出氏の演技が見事。

羽生さんをTVで観たことがある人は多いだろうから、彼のほうが似ている、似ていないについて多く批評されるのは間違いない。

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村山のキャラクターには興味深いものがあった。
身の回りことは、あまり気にしない。将棋に命をかけている。
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熱で寝込んでいる村山の部屋を訪ねる、師匠(リリー・フランキー)と弟弟子の江川(染谷将太)。

そして、少女マンガを愛する。
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マンガ好きがきっかけで、大阪の古本屋の女の子(新木優子)と不思議な関わりがあったり。特に『イタズラなKISS』に相当ご執心のようで、最終巻の取り置きについて古本屋で話したり、↓の羽生とのさし飲みのシーンでも好きなマンガとして口にしていた。

変なこだわりも持つ。
例えば、「牛丼は吉野家、シュークリームはミニヨン、お好み焼きはみっちゃん、かつ丼は徳川」。
牛丼にいたっては、吉野家じゃなきゃ意味がないとまで言い切る。
東京での賃貸する部屋についても、編集長に似合わないと反対されても跳ね返すなど、こだわりっぷりを発揮していた。

 
雪国での羽生との対局は、背景に雪がちらついていて風情もあった。
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対局後、羽生を誘い、打ち上げを抜け出し二人で居酒屋へ。
ここでの会話も、クライマックスの一つ。

村山:「僕たちはどうして将棋を選んだのでしょうね」
羽生:「私は今日、あなたに負けて、死にたいほど悔しい」
村山:「負けたくない?」
羽生:「その思いしかないでしょう」

村山は誰にも媚びない。憧れていた羽生に対してさえ。それが非常に気持ち良い。
羽生も羽生で、上の会話から勝負師として気持ち良いメンタリティを持っていることが感じられる。

「死ぬまでに女を抱いてみたい」と羽生に告げる村山。タイトルに「青春」がついているのもその辺りが関係しているのか、性に関してもあっさりではあるが触れられる。

対羽生の実際の戦績は6勝8敗。他の有名な棋士と比べてどうなのだろうか。

 
本作には、わたしがよく知っている千駄ヶ谷界隈の風景も登場する。
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村山が転んだ緩い下り坂。これは千駄ヶ谷の将棋会館の本当にすぐ近く。

村山が羽生を追いかけていくが無言で会釈するだけのシーンでは、鳩の森神社を通っていた。

師匠を演じるリリー・フランキーは、比較的押しの弱い役。珍しい。が、それでもハマっているのがさすが。
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電話で東京にいる荒崎に、村山が亡くなったことを伝える師匠。

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口の悪い荒崎の役をうまく演じていた柄本時生。そうか。彼は柄本明の息子で、柄本佑の弟なのか。今後も期待。

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エンドクレジットで初めて、ああ、あの編集長が筒井道隆だったかと思い至る。変わりっぷりに驚いた。そういえば、ナレーションの声は確かに彼だ。

鶴見辰吾が『ぼくたちの家族』に続き、医者役を演じていた。この方は医者顔なのだろうか。

 
と、随所に興味深い箇所はいくつもあったが、観終ってみるとラストがあっさりしているからか、印象が薄い。友人に強力に勧められていたということもあり、期待が大きすぎたからかもしれない。

 
最後に、バージョン違いのチラシデザインを紹介。
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マツケン押しバージョン。こちらも悪くない。

製作総指揮: 井上伸一郎
製作: 野副亮子、武田吉孝、永井拓郎
監督: 森義隆
脚本: 向井康介
原作: 大崎善生
撮影: 柳島克己
美術: 安宅紀史
音楽: 半野喜弘
主題歌: 秦基博「終わりのない空」
衣装: 纐纈春樹
特撮: 進威志
出演: 松山ケンイチ(村山聖)、東出昌大(羽生善治)、染谷将太(弟弟子・江川貢)、安田顕(プロ棋士・橘正一郎、村山に敗れる)、柄本時生(プロ棋士・荒崎学、性格が荒い)、鶴見辰吾(医者)、北見敏之(聖の父・伸一)、筒井道隆(将棋連盟の職員・将棋雑誌編集長・橋口)、竹下景子(聖の母・トミ子)、リリー・フランキー(森信雄、聖の師匠)、新木優子(古本屋店員)
編集: 佐藤崇
製作会社: 「聖の青春」製作委員会
配給: KADOKAWA
公開: 2016年11月19日(日)
上映時間: 124分
 
【世間の評価】 ※2017.2.7時点
CinemaScape: 3.5/5.0 (6人) 
Filmarks: 3.6/5.0 (2,421人) 
Yahoo! 映画: 3.59/5.00 (2,051人)
IMDb: 6.6/10.0 (17人)
Rotten Tomatoes(Critics): -/10.0 (-人)
Rotten Tomatoes(Audience): -/5.0 (-人)
 
@ANA機内