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言わずと知れた天才F1ドライバーのドキュメンタリー。

正直、私はF1のことは詳しくない。90年代の前半から中盤にかけて盛り上がっていたときも、さほど興味がなかった。週末の深夜にフジテレビで放送していていたのは知っているが、じっくり見たことはなかった。

だから、セナやプロストの名前は知っていても、人柄や関係性は知らず。セナがブラジル人だということすら知らなかった。

逆にそのぐらいの知識しかない人がこの作品を見ても、楽しめる内容ではあるし、セナの人柄の一端、そして最大のライバルであったプロストとのおおよその関係性はわかる。

 
セナのF1参戦、ロータスへ移籍、初優勝、マクラーレンへ移籍、初の年間ワールドチャンピオン、ウィリアムズへ移籍、事故で死亡。

といった、セナが歩んだ歴史を、当時の映像をつなぎ合わせ、ナレーションやインタビュー音声、音楽、テロップを入れ、比較的淡々と見せてくれる。

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監督の主張はさほど強くないし、感情的でもない。説明も決して多くはない。

例えばセナが抱えていたプレッシャーは相当なものだったと思うが、そこに深く切り込み、セナの苦悩を表に引きずり出すようなシーンはない。本人が亡くなってしまってから製作されたものゆえ、致し方ないのかもしれないが。
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とはいえ、直接的にインタビューで内面は探っていないにしても、ヘルメットから覗く目の様子から伺えることはある。

 
プロストはどちらかというと悪者の位置づけになっている。彼の方が勝負に汚いというか、貪欲なように見えるが、セナはセナで主張が弱いわけではないし、実際はどうだったのだろうか。(セナ財団の管財人がプロストであるこことが最後にテキストで示される。ということは、プロスト自身も映像を使うことを了承しているのだ)
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同僚であり最大のライバルであるプロストと。セナがマクラーレンに入って間もない頃。

 
年間チャンピオンはだいたいシーズン後半の日本グランプリで決まるということも初めて知った。そのせいもあってか、日本のリポーターやインタビュアーが登場するシーンも多く、懐かしさを感じる反面、軽い違和感も残った。当時、世界的に見ても日本は相当盛り上がっていたということなのだろうか。(観終った後に知ったことだが、この作品の初公開は鈴鹿サーキットで行われている。)

セナが事故で亡くなったということは知ってはいたが、どのレースでかは自分は知らなかった。だから、後半はドキドキしっぱなし。
もっと多くのドライバーが事故で亡くなっているのかと思っていたが、そうではないことを知り驚いた。セナが致命傷を負ったのも運が悪かったとのこと。
一方で、この事故以降、安全対策をとったことで、少なくとも2010年までは死者は出ていないというのも驚き。

あらためて考えてみると、モータースポーツというのは独特の技量が求められていることがわかる。コーナーリング等の技術もあるし、気象状況、路面状況に応じたテクニック、他のドライバーとの駆け引き、メカニックとのコミュニケーション、そしてメンタル。

全体的に、報道番組のような構成で、事実の羅列が多く、制作サイドの主義・主張のようなものがあまり伝わって来なかった。そのため、初めて知ることが多く好奇心は満たされた(ウィリアムズの電子制御によるトラクションコントロールシステムの圧倒的な他のマシンとの差の話では、水泳界で一時期話題をさらったSPEEDO社のレーザー・レーサーを想起させられた)し、観てよかったとは思うものの、心が大きく動かされるところまでは行かなかった。

最後に、バージョン違いのチラシデザインを。
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監督: アシフ・カパディア
脚本: マニッシュ・パンディ
製作: ジェームズ・ゲイ=リース / ティム・ビーヴァン / エリック・フェルナー
製作総指揮: ケヴィン・マクドナルド / マニッシュ・パンディ / デブラ・ヘイワード / ライザ・チェイシン
出演者: アイルトン・セナ / アラン・プロスト / ロン・デニス / ジャン・マリー・バレストル / フランク・ウィリアムズ / パトリック・ヘッド / ルーベンス・バリチェロ / Viviane Senna / Neide Senna / 今宮純 / 川井一仁 / 三宅正治 / 岡田美里
音楽: アントニオ・ピント
編集: グレッガーズ・ソール / クリス・キング
製作会社: ワーキング・タイトル・フィルムズ / ミッドフィールド・フィルムズ
配給: 東宝東和(日)
公開: 2010年10月8日(日本グランプリイベント開催時に、鈴鹿サーキットにて初公開)、2011年6月3日(英)
上映時間: 110分
 
【世間の評価】 ※2016.9.26時点
CinemaScape: -/5.0 (-人)  
Yahoo! 映画: 4.23/5.00 (180人)
IMDb: 8.6/10.0 (46,257人)
Rotten Tomatoes(Critics): 7.9/10.0 (117人)
Rotten Tomatoes(Audience): 4.4/5.0 (17,661人)
 
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