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短い時間に魅力が凝縮されている、小気味良い作品。

ゲームのように列車爆発までの8分間を何度も生き、犯人を探すスティーヴンス大尉(ジェイク・ギレンホール)。

スティーヴンスは状況がなかなか飲み込めない。それは観客も同じ。
ストーリーが進むにつれ、スティーヴンスと観客がそれぞれ理解していく。これが面白い。

この変わったシチュエーション設定にしたというところが、この映画の最大の成功のポイントだろう。

以下、ネタバレを含みつつ、印象に残ったシーンを振り返る。

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主役をつとめるジェイク・ギレンホールは、『ブロークバックマウンテン』や『ゾディアック』でも良い役者だと思ったが、本作ではより一層輝いている。

脚本として面白いなと思ったのは、状況を少しずつ理解していくスティーヴンスは、列車で目の前に坐っているクリスティーナ(ミシェル・モナハン)との会話内容も変えていくのだが、それに応じて、クリスティーナも少しずつ返答が変わっていくという点。あたり前といえばあたり前のことだが、なんだか変に感心してしまった。
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クリスティーナを演じるミシェル・モナハンはちょっと小悪魔的な、挑戦的な良い表情をする。
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左にいるコメディアンもアクセントとしてうまく使われていた。
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美しいショット。残り1分しか人生がないとしたらか…
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スティーヴンスは本来の性分なのか、追い込まれていることもあってか、クリスティーナに対しても結構攻めの姿勢。(これは、ラスト近く、コメディアンが乗客に対してネタを見せており、乗客の注目がそちらに向いている時の一コマ)
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他の人に対しては、より一層攻める。やりたい放題の捜査。
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トイレの上の空間に仕込まれていた爆弾。意外とあっさりと発見。

任務の話し相手の女性、モニターの天使的なグッドウィン大尉。ぱっと見、真矢みきのようなクールビューティな風貌だが、人間味があることがだんどんとわかってくる。
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グッドウィンを演じるヴェラ・ファーミガ。ちょっと歳を重ねている雰囲気に惹かれるものを感じていたが、この時の実年齢は37歳前後とのこと。
吸い込まれるような青い瞳の美しさ。笑顔のチャーミングさ。

グッドウィンの反応からして、どうやらスティーヴンスは実は既に死んでいるということに、観客はうすうす気づいてくる。
主人公はすでに死んでいるのだから、彼が頑張ろうが頑張らなかろうが、彼がこれ以上ひどいことにはならないという点が、奇妙な安心感を与える。面白いものだ。

犯人を見つけ出し、その名前も、記憶している車のナンバーもグッドウィンに伝え任務を果たしたスティーヴンス。
しかし、そこから再びあの世界に戻ってクリスティーナを救いにいくから、8分間の経過後に生命維持装置を外してくれと頼む。
このヒロイックな行動に、心を掴まれる。
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ラスト近く、シカゴのクラウドゲートパークを訪れる二人。
(このオブジェクトの鏡面に映るスティーヴンスの顔は、ショーンではなくスティーヴンスそのもの…と思いきや確認したらやはりショーンだった。)

なお、原題のままの”Source Code”では内容が想像しにくかっただろう。本作については邦題のほうがわかりやすくて良かった。

 
最後に、バージョン違いのチラシデザインを紹介。
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疾走感あるパターン。
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日本版。情報多いなー。”映画通ほどダマされる”ときたか…どうもこの方向性は自分の性に合わない。

製作総指揮: ホーク・コッチ、ジェブ・ブロディ、ファブリス・ジャンフェルミ
製作: マーク・ゴードン、フィリップ・ルスレ
監督: ダンカン・ジョーンズ
脚本: ベン・リプリー
撮影: ドン・バージェス
美術: バリー・チューシッド
音楽: クリス・ベーコン
衣装: レニー・エイプリル
出演: ジェイク・ギレンホール(コルター・スティーヴンス大尉)、ミシェル・モナハン(クリスティーナ・ウォーレン、電車の向かいに座る女性)、ヴェラ・ファーミガ(コリーン・グッドウィン空軍大尉、モニター)、ジェフリー・ライト(ラトリッジ博士、開発者)、マイケル・アーデン(デレク・フロスト、犯人)、キャス・アンヴァー(ハズミ、乗りもの酔いのおっちゃん)、ラッセル・ピーターズ(マックス・デノフ、コメディアン)、スコット・バクラ(コルターの父の声)、ブレント・スカグフォード(ペンを貸してくれと言われカバンをあさられる男)、クレイグ・トーマス(列車が遅れていることに苛立つ男)、ゴードン・マステン(車掌)、スーザン・ベイン(軍の病院で働く看護師、携帯電話を貸す)、ポーラ・ジーン・ヒックスソン(コーヒーを靴にこぼす女)、カイル・ゲートハウス(大学生)、フレデリック・デ グランプレ(トイレの鏡に映るショーン)、ジョー・コブデン(ラボの技術者)、James A. Woods(サングラスをかけPCでトレードをする男)
編集: ポール・ハーシュ
製作会社: ヴァンドーム・ピクチャーズ、マーク・ゴードン・カンパニー
配給: サミット・エンターテインメント(米)、ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ(日)
公開: 2011年4月1日(米)、2011年10月28日(日)
上映時間: 93分
製作費: $32,000,000
興行収入: $147,332,697(内、日本は4億6000万円)
 
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