summertimemachineblues

数年前にヨーロッパ企画の舞台『サマータイムマシンブルース』を観て衝撃を受けた。
その後、映画化されたのは知っていたが、舞台版が良かっただけに、観るのに二の足を踏んでいた。

しかし、映画版の評価も悪くないし、今となってはストーリーも細かいところは覚えてないし。。。
ということで、ようやく観るにいたった。

なお、本作への評価は、単品だけ観てというよりは、舞台版と比べての評価となってしまうことを、予めお断りしておく。

この作品の難しいところは、タイムトラベル部分のビジュアルにリアリティがないため、それに合わせてか、他の部分にもリアリティがない設定がちょこちょこ挟まれているところ。
おそらく、タイムマシン部分だけがファンタジーだとバランスを逸するからだろう。

そのため、冒頭の野球シーン、沼のシーン、99年前のリモコンの扱い、未来から来た田村くん(本多力)のリアリティのなさなど、緩~いファンタジー要素がちりばめられている。

そこが良くもあるが、映画としては入り込みにくさもある。
舞台だったら何の問題もないのだが。

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それでも、過去、未来と時間を飛びまわって、そのことがどう影響したかの細かい描写については、純粋に楽しめた。映画用に新たに加えられた、遊びの要素もいくつも登場していた。

映像作品ならではの、同じ人間が同時に複数登場したり、場面が舞台と違って部屋に限られないことによる自由さも、大きく違う点だった。

ただ、勢いという点では、舞台版には到底かなわない。
役者が醸し出す雰囲気という面では、舞台版も捨て難いが、ヨーロッパ企画ならではのくどさが本作では弱く、洗練されているように感じた。

summertimemachineblues_2上野樹里、真木よう子のキレイどころ二人がキャスティングされていることも、舞台版と大きく違う要素である。

瑛太と上野樹里の、ほんのりとしたラブストーリーも悪くない。
ラストの瑛太のセリフも、キュンと来る、舞台にはない要素だった。

yoko-makiまた、個人的な好みではあるが、いつもどちらかというと妖艶な役が多い真木よう子の、学生っぽいカメラ女子っぷりは魅力全開だった。

一つ残念だったのは、大好きな役者であるムロツヨシ氏が生かしきれていない気がしたところ。もっと面白さを引き出せると思うのに。

と、舞台版と比較しながらの評価にはなってしまうが、本作単体でも、観る価値は十分にあるとは思うものの、上に書いたファンタジー面が強いところ、振り切れ方が足りない点にやや物足りなさを感じた。それだけ、舞台版の完成度が高いということで。

 
<<追記>>
過去を変えると皆消えてしまうってことで大騒ぎするわけだが、よくよく考えると、過去を変えたらすでに現在は変わっているのだから、やりたい放題やっても結局同じなんじゃないかという気がするが。。。どうなんだろう。

製作総指揮:阿部秀司
製作:堀部徹 / 泉英次 / 藤巻直哉 / 高野力
監督:本広克行
脚本・原作:上田誠
撮影:川越一成
美術:相馬直樹
音楽:HALFBY
出演:瑛太 / 上野樹里 / 与座嘉秋 / 川岡大次郎 / ムロツヨシ / 永野宗典 / 本多力 / 真木よう子 / 升毅 / 三上市朗 / 楠見薫 / 川下大洋 / 佐々木蔵之介

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