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ビリー・ワイルダーの映画なんていつ以来だろう。(と思ったら、昨年末に観た『お熱いのがお好き』も彼の作品だった。)

本作は、名作として名前は知っていたが、内容は知らなかった。たまには白黒の古き良き映画を観てみるのもいいかとチョイス。

 
ラストシーンだけでなく、全編を通してのノーマ(グロリア・スワンソン)の迫力。
フラフラっとしたジョー(ウィリアム・ホールデン)の態度、正装したときの男前具合。

この二人がストーリーの中心にいるが、私としては、ノーマへ変わらぬ愛を注ぎ続けるマックス(エリッヒ・フォン・シュトロハイム)に一番惹きつけられた。

「サンセット大通り」のあらすじ

売れなくなった脚本家のジョーは、借金取りに追われロサンゼルス郊外、サンセット大通りにある荒れ果てた邸宅に逃げ込む。そこは、サイレント映画時代の大女優ノーマ・デズモンドの住まいだった。銀幕への復帰を目指す彼女は、ジョーに、主演を念願する作品「サロメ」の脚本を住み込みで執筆させることに。寝食にありつけるとあって依頼を引き受けたジョーだが、仕事はおろか私生活まで束縛され、ノーマへの不満が募っていく。やがて、友人の婚約者であり、パラマウントの脚本部員であるベティに癒しを求めていくジョーだったが…。

裏を返すと、主演の二人のかけひきや、ジョーが想いを寄せるベティ(ナンシー・オルスン)に、あまり魅力を感じられなかったということ。
そこが、自分が本作品に乗り切れなかった所以。

以下、ネタバレも含みつつ、印象に残ったシーンを振り返る。

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まるで恋人のようなノーマのジョーに対する振る舞い。そんなノーマを、なんだかんだ言いながら、邪険には扱わないジョー。
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ここにジョーの嫌らしさが現れているのだろうが、作品全体から感じる彼のキャラクターとは少しそぐわないような気がした。

ジョーが手直しをした脚本をパラマウントに送るノーマ。
昔から知っているセシル・B・デミル監督は迷惑がるが、それに気づかず自分の脚本を自分が主演で演じられると信じ、美容部隊を家に呼び必死で若さを取り戻そうとする姿にはコミカルさに加え、鬼気迫るものを感じた。
同じく、ノーマがジョーに対して、「自分を愛して、自分を捨てないで」と迫る顔の、特に目の迫力。

ノーマの、いまだスターだという思い込み。その世界を支えるマックス。
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召使マックスのとぼけた風合いはいい味を出していた。

マックスのノーマへの強い愛。
17歳のころのノーマはすごかったとマックスが回顧するシーンがあるが、残念ながら私にはまったく伝わって来ず。

ジョーとノーマでサイレント時代のノーマの主演作を二人で観るシーンがあるが、ここでもノーマの昔の魅力が感じられず。
つまり、総じて、ノーマの過去の栄光は感じられない作りとなっている。

ラスト近く、事件の報を受けて自宅に押し寄せる報道陣。
その中に、ニュース映画の撮影チームもいたことで、マックスがチームを仕切り、ノーマには映画撮影部隊が来たと伝え、撮影がスタートする。
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ニュース映画撮影隊を仕切るマックス。
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階段をポーズを決めながらゆっくり降りてくるノーマ。
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カメラに挑戦的な視線を送るノーマ。

そしてラスト。カメラに向かって迫ってくるノーマ。

この一連のシーンは、プロットとしても、映像としても確かに面白い。
が、ノーマ自体への興味がどうしても持てず仕舞い。

せめて、ノーマの恋敵(?)のベティ(ナンシー・オルスン)がもうちょっと可愛ければ。
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このショットは悪くないが、グっと来る魅力を備えているとまではいえない印象。
とはいえ、ジョーが、ベティのもとへ走らなかった心持ちは意外だった。

一つ驚いたのは、サイレント時代の俳優仲間として、バスター・キートン自身が出演していたこと。
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右がバスターキートン。左は『素晴らしき哉、人生!』等に出演しているH・B・ワーナー。

 
物悲しくも、受け入れられない部分が多い作品だった。

 
最後に、バージョン違いのチラシ・DVDパッケージデザインを紹介。
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公開当時のポスターデザインだろうか。かなりクールな出来だが、赤が強すぎて映画自体の印象が変わってしまう。

製作: チャールズ・ブラケット
監督: ビリー・ワイルダー
脚本: チャールズ・ブラケット、ビリー・ワイルダー、D・M・マーシュマンJr.
撮影: ジョン・F・サイツ
美術: ハンス・ドライアー、ジョン・ミーハン
音楽: フランツ・ワックスマン
衣装: イーディス・ヘッド
出演: グロリア・スワンソン(ノーマ・デズモンド)、ウィリアム・ホールデン(ジョー・ギリス)、エリッヒ・フォン・シュトロハイム(マックス、ノーマの召使。元映画監督でノーマの元夫)、ナンシー・オルスン(ベティ・シェーファー、アーティの婚約者で若手の脚本部員)、ジャック・ウェッブ(アーティ・グリーン、ジョーの友人)、フレッド・クラーク(シェルドレイク、映画プロデューサー)、セシル・B・デミル(映画監督、本人役)、バスター・キートン(本人役)、ヘッダ・ホッパー(本人役)、アンナ・Q・ニルソン(本人役)、H・B・ワーナー(本人役)、ジェイ・リビングストン(本人役)、レイ・エバンズ(本人役)
編集: アーサー・P・シュミット
製作会社: パラマウント映画
配給: パラマウント映画(米)、セントラル映画社(日)
公開: 1950年8月4日(米)、1951年10月28日(日)
上映時間: 110分
製作費: $1,752,000
 
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