がんばれベアーズ

子どもたちが主役の野球映画の名作。

昔から知っている作品だし、いつか見たいとは思っていた。

 
ストーリーはおおかた予想はつく。

寄せ集めの下手くそなチームが悔しい思いをしながら少しずつ変わっていき、だんだん強くなっていくというサクセスストーリー。
先日観た、『ネクストゴール』と同じ構図だ。

世の中に数多くある、似たような作品の大本がこの映画なのだろう。

ただし、味つけ部分に結構特徴が出ている。
だからこそ、いまだに高い人気を誇っているのだろう。

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野球を通して子どもがもちろん成長はしていくのだが、どちらかというと、大人の成長のほうを感じる

元マイナーリーグの投手だったという過去を持つ、ベアーズの新監督バターメイカー(ウォルター・マッソー)は間違いなくアル中で、時代が時代というのもあるが試合中だろうと構わずにタバコを吸っているし、感情的だし、選手らのこともたいして考えているように見えない。いわゆるダメ大人。

彼も、子どもたちからの反抗や反応を通して変化はしていくが、その変化の仕方がたいしてドラマチックではなく、観客としても反応しづらさがある。

弱いチームを強くするために、監督がしつこく誘ってようやく野球チームに入ってきたアマンダ(テータム・オニール)。彼女が、途中から掌を返したように監督に甘えてくるのには違和感を感じたが、まあ子どもだからということで許そう。

しかし、アマンダの母親(バターメイカーの元恋人)も含めて食事に行こうというアマンダの提案に、監督が激ギレする態度はあまりに大人げなく、腑に落ちない。

小学生でありながらバイクに乗りタバコを吸ってる、不良少年である運動神経抜群のケリー(ジャッキー・アール・ヘイリー)が、野球チームに入った途端、柔順になるのもしっくりこない。

と、ディテールに気持ち悪さが満載なのだ。

 
そもそも、日本の少年野球に何年も浸っていた身としては、「野球を舐めるのもいい加減にしてくれ」という怒りがどうしても抑えきれなかった
(そう考えると、自分が無邪気に楽しんで観れた「スクール・オブ・ロック」も、小さい頃にしっかりと音楽の教育を受けた人からすれば耐えられない内容なのかもしれない。)

運もあるが、たいして練習せずに打てたり守れたりするほど易しいスポーツではない。練習シーンが雑だから、試合で打てることにリアリティがなさすぎる。

子どもたちの大人への態度や口の聞き方も、特に前半部はかなりカンに触る。それはひとえに監督のだらしなさに原因があるわけだが。

控えの選手たちを試合に出すというのもわかる話ではあるが、出すべきタイミングってある。

もちろん、野球であっても子ども時代から詰め込んだ教育をする日本育ちの自分と、おおらかなアメリカの違いはあるだろう。しかし、締めるところは締めないと、教育にもならないだろう。

なんともいえず情けない監督のキャラ設定に驚きはあったものの、反感をいだく箇所が多く、長年楽しみにしていたのに残念ながら馴染めないという結果になってしまった。

 
<<追記>>
結局チームを強くしたのは、ピッチャーのアマンダとセンターのケリー。要は、既存メンバーの力だけではどうにもならないということ。これは哀しいことではあるが、先日観たドキュメンタリー映画の『ネクストゴール』でも同じ構造だったから、これこそ現実なので仕方がない。

製作: スタンリー・R・ジャッフェ
監督: マイケル・リッチー
脚本: ビル・ランカスター
撮影: ジョン・A・アロンゾ
美術: ポリー・プラット
音楽: ジェリー・フィールディング
出演: ウォルター・マッソー / テイタム・オニール / ヴィック・モロー(強豪チームの監督) / クリス・バーンズ / ベン・ピアッツァ(Bob Whitewood:市会議員) / エリン・ブラント / ジャッキー・アール・ヘイリー(Kelly Leak) / ジョイス・ヴァン・パタン(Cleveland:用具係のおばちゃん)
 
【世間の評価】 ※2016.3.1時点
CinemaScape: 3.7/5.0 (227人)  
Yahoo! 映画: 3.72/5.00 (57人)
IMDb: 7.3/10 (15,837人)
 
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