The-Bourne-Identity

マット・デイモンのいけてそうなジャケット写真と、タイトルから受けるそこはかとないイケてる映画感に魅了されて、観るのを楽しみにしていた作品。

 
一番感じたのは、緊張感を煽るのが非常に上手い演出だということ。

全般的に緊張感が漂ってはいるが、特に、パリの自宅に戻ってから、最初の戦闘シーンまでの、緊張感が心地良い。

かなり前半のほうだし、観客も何か起こるんじゃないかと集中力が高まっているから、ボーン(マット・デイモン)がマリー(フランカ・ポテンテ)に見えないよう包丁を床に落とし、その包丁が床にささるシーンのような、大きな意味はないシーンまでもが、いまだに印象に残っているほどである。

以下、軽いネタバレあり。

 - ad -

最初の戦闘シーンでは、ボーンは自分が何者なのかまだ思い出していないから、敵に対しても銃を向けたりしないところが、好印象。政府が3000万ドルかけて殺し屋に育てあげた人物であっても、ナチュラルボーンの殺し屋ではないことが、ここから垣間見れる。

記憶喪失という設定は、まあ、ありきたりではあるが、許せる範囲。
自分が大好きな映画「鍵泥棒のメソッド」は、いろいろとこの映画からヒントを貰っているんだなということがよくわかった。)

お尻の皮膚の中に、スイスの銀行の口座番号を照らし出すカプセルが埋め込まれているという、トリッキーさ。

カーチェイスもそれなりに楽しめる。
逆走しまくったり、激狭い路地を飛ばしたり、ミニの特長を生かして頑張っていた。マニュアルミッションだったのも良い。

観ている最中、再三登場する「踏み石作戦(Operation Treadstone)」が何のことだがわからなかったが、要はCIAが暗殺のプロを養成するプロジェクトのことを言うらしい。

こういうアクションものって皆そうだが、ヒロインはいなくてはならないが、あまりに魅力的過ぎて、ヒーローや観客がそっちに気を取られるのも問題。
本作でも、それに沿った、いい塩梅の魅力を醸し出している、適切なヒロインの在り方がそこにあった。
(なお、マリーを演じるフランカ・ポテンテは、ドイツ出身で「ラン・ローラ・ラン」の赤髪が印象的なローラ役の方だった。多才だこと。)

上司(クリス・クーパー)と対峙して、ようやく自分が二週間前に何をしようとしていたかを思い出す。なぜ、黒人の男ウァンボシ(アデウェール・アキノエ・アグバジェ)を暗殺できなかったか。

それが、「子どもを抱いていたから」というのは、わからないでもないが、あまりにもひねりがなくがっかりだった。

緊張感を煽って煽って、ようやく上司を追い詰め、その上司も上層部に責任を押しつけられて消される。最後にヒロインのもとへ戻るっていう構成は悪くはないだけに、暗殺失敗の部分だけに不満が残る結果となった。

続きの作品のほうが評価は高いし、いずれ観てみたいとは思う。

bourneidentity
こっちのデザインは、ややダサいかな。

製作総指揮:ロバート・ラドラム / フランク・マーシャル
製作:パトリック・クロウリー / リチャード・N・グラッドスタイン / ダグ・ライマン
監督:ダグ・ライマン
脚本:トニー・ギルロイ / ウィリアム・ブレイク・ヘロン
原作:ロバート・ラドラム
撮影:オリヴァー・ウッド
美術:ダン・ウェイル
音楽:ジョン・パウエル
衣装:ピエール・イヴ・ゲロー
特撮:ピーター・ドーネン
出演:マット・デイモン / フランカ・ポテンテ / クリス・クーパー / クライヴ・オーウェン / ブライアン・コックス / アデウェール・アキノエ・アグバジェ / ガブリエル・マン / ウォルトン・ゴギンズ / ジョシュ・ハミルトン / ジュリア・スタイルズ / オルソ・マリア・グエリーニ / ティム・ダットン / ニッキー・ノーデ
 
【世間の評価】 ※2016.2.1時点
CinemaScape: 3.4/5.0 (292人)  
Yahoo! 映画: 3.99/5.00 (619人)
IMDb: 7.9/10 (383,515人)
 
@Amazon Prime Video