tikamatu

初めて接した溝口作品。

眠くなるんじゃないかと思っていたら、そんなことはなかった。

冒頭部分で、最近の時代劇より聞き取りにくい会話があり、果たして理解できるのか不安になったが、わざとそういう作りにしているのか、耳の慣れか、途中から気にならなくなった。
もちろん、ところどころ細かい意味がわからない部分はあった。

映像もキレイに作られているし、展開にも無駄がない。
芸術性と娯楽性がほどよく共存している。
このバランスが溝口健二なのだろうか。

 - ad -

長谷川一夫がインパクト強すぎるが、それも一興。
香川京子が恋をするにつれ、綺麗に見えてくるのも、悪くない。

普通のストーリーだったら、茂兵衛が身を引き、おさんの幸せを願うのだろうが、二人でつかまって引き回しのうえ死刑にされてしまうのは、究極の愛の形の体現。

湖に身をなげて心中しようとする直前に茂兵衛が気持ちを伝え、そこからおさんの態度が一変してしまうのは極端な気はしたが、これはこれでありな気がした。

二人でいれることの幸せを、江戸時代という舞台で表現されているのは初めて観たし、新鮮だった。

ちなみに、この「近松物語」は、近松門左衛門の人形浄瑠璃・歌舞伎の演目である『大経師昔暦』(だいきょうじむかしごよみ)を下敷きにして書かれた戯曲『おさん茂兵衛』を映画化した作品であるが、実際に江戸時代に京都で起きた不倫事件がベースとなっているとのこと。

また時間を置いて、別の溝口作品に触れて見たい。

製作: 永田雅一
監督: 溝口健二
脚本: 依田義賢
原作: 近松門左衛門
撮影: 宮川一夫
美術: 水谷浩
音楽: 早坂文雄
出演: 長谷川一夫 / 香川京子 / 南田洋子 / 進藤英太郎 / 小沢栄 / 菅井一郎 / 田中春男 / 石黒達也 / 十朱久雄 / 浪花千栄子 / 伊達三郎
公開日: 1954年11月23日
上映時間: 1時間42分
 
【世間の評価】 ※2016.1.21時点
CinemaScape: 4.3/5.0 (80人)  
Yahoo! 映画: 4.54/5.00 (48人)
IMDb: 8.2/10 (2,096人)
 
@DVD