続・夕陽のガンマン 英語版

マカロニウェスタンの有名作。

タランティーノが勧めていたので、興味を持った作品。『ジャンゴ』に通じるものがあるんではないと思って。しかも、本作は国内外問わず、評価がやたら高い。

ただし問題が一つあり、それは2時間58分という尺の長さ。土曜の夜に時間が空いたため、ゆっくりと観ることに。

 
冒頭から流れる、あまりにも有名なエンニオ・モリコーネの音楽に、期待が高まる。

イタリア語の原題は「Il buono, il brutto, il cattivo」で、英題の「The Good, the Bad and the Ugly」と同じ意味。すなわち、「善人、悪人、卑劣な人」。

(邦題もこのタイトルか、それに近いものだったらわかりやすかったが、日本お得意の情緒に訴えるタイトル変えで、夕陽も出てこないのに、「夕陽のガンマン」に。今となっては、恥ずかしくて知らない人に言いにくいタイトル。トレンドを追いかけるからこうなる。)

Goodのブロンディ(クリント・イーストウッド)とBadのエンジェル(リー・ヴァン・クリーフ)の二極ではなく、そこにUglyのトゥーコ(イーライ・ウォーラック)がいることで物語に奥行きが出ている。とくにブロンディとトゥーコの二人が、くっついたり離れたりする関係性は、作品に微笑ましさを与えている。

全編通してよく喋るトゥーコは、残忍な面を持ちつつも、無防備に風呂に入ったり(しかも泡を立てて)、ところどころ抜けていてお茶目。見た目とは裏腹に射撃の腕が一級品なのも面白く、彼が作品を引っ張っているのは間違いない。

観終って印象に残る顔は、ブロンディより断然トゥーコのほう。

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この、機関車に手錠を切断させるシーンも印象に残る。

以下、ネタバレあり。

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南軍と北軍の争い。今も昔も戦争の現場では無駄に若い命が失われていく。二つのエリアを結ぶ橋を爆破してしまえば、少なくともその場所付近では殺し合いはなくなる。アル中気味の大尉(キャプテン)の意向を受けて、二人は橋を爆破する。もちろん、橋を爆破すれば橋の向こう側にいる南軍がいなくなって、自分らの目的地であるサッドヒルという墓地に行けるようになるからではあるが。

20万ドルを見つけ出すと、トゥーコを信じられないブロンディは、トゥーコに銃を向け自ら首を吊る紐をかけさせ、後ろ手に縛った上で、分け前の半分はきちんとその場に残し、馬に乗り立ち去る。そしてかなり遠くまで離れたところで、紐を遠くから撃ち切り、トゥーコを助ける。

トゥーコはブロンディに対し、お前は善なんかじゃないと叫ぶが、まさにその通りで、他の二人と比べれば善かもしれないが、ブロンディも悪党であることに変わりはない。

象徴的に使われているものとして、葉巻、処刑用の首吊り紐がある。葉巻は一人で吸うだけでなく、数人で回して吸ったり、捨てられている葉巻を吸ったりと、口臭が臭ってきそうな決して気持ち良い吸い方ではない。

陽射しに灼かれた男たちの無骨な顔がやたらアップで抜かれるのも特徴的。トゥーコに砂漠を連れまわされ、火傷でただれたようになったイーストウッドの顔はなかなか凄惨。彼らの暮らしの様が、顔の色合いや肌質、汚れ具合等で伝わってくる。

女性はほぼ出てこない。

なお、イタリアで当初劇場公開されたときは177分だったが、他の国で公開されたinternational版は161分だったり、148分だったりといくつか違った編集がある。現在のDVDでは178分で観ることができるが、音声がイタリア語しかなかったため、イーストウッドとウォーラックは新たにアフレコを行なったとのこと。

欲を言えば、自分も2時間半ぐらいの尺で観たかった。178分はさすがに長くて集中力がもたず。
面白くはあるんだが、その長さゆえ間延びするところもあり。楽しみきれたとまでは言えず。

最後に、以下が日本版のチラシデザイン。
続夕陽のガンマン 日本版
このデザインは悪くない。

製作: アルベルト・グリマルディ
監督: セルジオ・レオーネ
脚本: ルチアーノ・ヴィンチェンツォーニ / アージェ / スカルペッリ / セルジオ・レオーネ
原案: ルチアーノ・ヴィンチェンツォーニ / セルジオ・レオーネ
撮影: トニーノ・デリ・コリ
美術: カルロ・シーミ
音楽: エンニオ・モリコーネ
衣装: カルロ・シーミ
出演: クリント・イーストウッド / リー・ヴァン・クリーフ / イーライ・ウォーラック / マリオ・ブレガ(北軍捕虜収容所のウォレス伍長) / ルイジ・ピスティッリ(パブロ・ラミレス神父、トゥーコの兄) / アントニオ・カザス(スティーヴンス) / アルド・ジュフレ(北軍の酔っぱらい大尉) / アントニオ・カサール(ビル・カーソン/ジャクソン) / ラーダ・ラシモフ (マリア、ビル・カーソンの恋人)
配給: ユナイテッド・アーティスツ
公開: 1966年12月23日(伊)、1967年12月29日(米)、1967年12月30日(日)
上映時間: 178分
 
【世間の評価】 ※2016.2.21時点
CinemaScape: 3.9/5.0 (110人)  
Yahoo! 映画: 4.35/5.00 (115人)
IMDb: 8.9/10 (481,448人)
 
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