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楽しみにしていたウェス・アンダーソンの監督作品。

ホテルを中心に、相変わらずの造形・映像への強いこだわり。ウェス・アンダーソンワールドがしっかりと体現されていた。カット割りも手を抜かず細部にまで配慮されているのが素人目にもよくわかる。毎度のことながら世界観の構築力の高さには舌を巻く。

主人公グスタフ(レイフ・ファインズ)が魅力的かつ人間的に描かれており、バランス良し。そのパートナー的な役割を果たすボーイ役のゼロ(トニー・レヴォロリ、インド系の顔立ち)も脱力感が心地よい。この二人のやりとりにシリアスさがないことで肩の力を抜いて観ることができる。

ところどころベタなコメディ路線の演出が入ってくるが、ご愛敬として許せる範囲。

以下、ネタバレ含め、印象に残ったシーンなどを振り返る。

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印象的に使われる、グスタフとゼロの列車内のシーン。
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ゼロはボーイの身分でありながら支配人(?)のグスタフに帯同。二人とも仕事の衣装のままで外出するコミカルさ。帽子には「LOBBY BOY」の文字。

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フロントマン(ジェイソン・シュワルツマン)と若き日の作家(ジュード・ロウ)。
構図も絶妙。よく見れば件の絵も飾ってある。

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真っ赤な内装のエレベーター。エレベーターボーイの表情がたまらない。

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このシーンの必然性は感じられないが、洋菓子屋「MENDL’S」のパッケージを含め美意識の高いピンクの部屋でのゼロとアガサ(シアーシャ・ローナン)。

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この囚人仲間のリーダー的男をハーヴェイ・カイテルが演じているとは気づかなかった。

なお、グスタフが愛用する香水として「ル・パナシェ」が何度も登場していたが
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そこからインスパイアされたという「L’air de panache」なるものが売られていた。
思いっきり映画名がタイトルに入っているし、オフィシャルなものなのだろう。

上のブルーレイのパッケージデザインでも使われている、ホテルの外観の造形も印象に残る。おもちゃのような、お菓子のような。そして、バックに広がる雄大な自然との対比。

 
というわけで、総評としては、めちゃくちゃ面白い話とまではいかないが、その独自の世界観に没入させてくれることは間違いない映画。ウェス・アンダーソン好きなら見逃してはいけない作品だ。

 
最後にバージョン違いのチラシデザインを。
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こちらはこちらで「この映画観てみたい」という期待感を煽ってくれるさすがの出来。

監督: ウェス・アンダーソン
脚本: ウェス・アンダーソン
原案: ウェス・アンダーソン、ヒューゴ・ギネス
製作: ウェス・アンダーソン、スコット・ルーディン、ジェレミー・ドーソン、スティーヴン・レイルズ
出演: レイフ・ファインズ(M. Gustave)、トニー・レヴォロリ(Zero)、F・マーレイ・エイブラハム(Mr. Moustafa)、マチュー・アマルリック(Serge、runaway)、エイドリアン・ブロディ(Dmitri、elder brother)、ウィレム・デフォー(Jopling)、レア・セイドゥー(Clotilde, hotel female worker)、ティルダ・スウィントン(Madame D., old lady)、ジェフ・ゴールドブラム(Deputy Kovacs)、ジゼルダ・ヴォローディ(Serge’s sister)、ハーヴェイ・カイテル(Ludwig, bald prisoner)、ジュード・ロウ(Young Writer)、ビル・マーレイ(M. Ivan)、エドワード・ノートン(Henckels, army policeman)、シアーシャ・ローナン(Agatha, Zero’s girlfriend)、ジェイソン・シュワルツマン(M. Jean, front desk)、トム・ウィルキンソン(Author)、オーウェン・ウィルソン(M. Chuck)、ボブ・バラバン(M. Martin)、ラリー・パイン(Mr. Mosher)、フロリアン・ルーカス(Pinky, prisoner)、カール・マルコヴィックス(Wolf, prisoner)、ザック・フォルカー・ミヒャロウスキ(Günther, prisoner)
音楽: アレクサンドル・デスプラ
撮影: ロバート・D・イェーマン
編集: バーニー・ピリング
製作会社: American Empirical Pictures、スコット・ルーディン・プロダクションズ、Indian Paintbrush、バーベルスベルク・スタジオ
配給: フォックス・サーチライト(米)、20世紀フォックス(日)
公開 2014年2月6日(独、Berlinale)、2014年3月7日(米)、2014年6月6日(日)
上映時間: 100分
 
【世間の評価】 ※2017.1.30時点
CinemaScape: 3.8/5.0 (55人) 
Filmarks: 3.8/5.0 (40,607人) 
Yahoo! 映画: 3.76/5.00 (1,504人)
IMDb: 8.1/10.0 (429,318人)
Rotten Tomatoes(Critics): 8.4/10.0 (265人)
Rotten Tomatoes(Audience): 4.1/5.0 (94,812人)
 
@BD