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荒唐無稽なおバカワールドを、それなりに真剣に作っていそうな映画。

アメリカ映画にはない、イギリス映画らしい湿り気やウィットがところどころに感じられる。
内輪受けっぽい、あまり笑えない笑いも散りばめられている。

銀河をヒッチハイクするためのガイド本(もしくは映画)のはずだが、ヒッチハイクしてたのは前半だけ。
あとはシチュエーションコメディ(sitcom)といった趣き。

「銀河ヒッチハイク・ガイド」のあらすじ

ごく平凡な英国男性のアーサー・デント。彼はバイパス建設で取り壊される自宅を守るべくむなしい抵抗を試みるが、地球自体が宇宙バイパス建設のために間もなく破壊されるときに、そんなことをやっている場合ではなかった。あまりにもあっけなく地球は破壊されてしまうが、アーサーは、実は宇宙人だった15年来の友人フォード・プリーフェクトにより助けられ、奇しくも最後の地球人となってしまう。フォードが宇宙でのサバイバルを指南する銀河系最大のベストセラー『銀河ヒッチハイク・ガイド』の編集者であったため、アーサーはガイドブックを頼りに、生き残りをかけて広大な宇宙をさまよう。

ゆるく、おバカなノリは決して嫌いではないが、全体を貫くテーマが感じられず、気持ちの持って行き方が難しい映画ではある。
恋愛でもなく、SFアドベンチャーでもなく、友情でもない。完全なるコメディでもない。

そこにどうも乗り切れず。

ヒロインのトリシア(ズーイー・デシャネル)にあまり魅力を感じなかったのが、本作が自分に刺さらないポイントでもあった。もうちょっと彼女に活躍の場を与えてほしかった。

以下、ネタバレも含みつつ、印象に残ったシーンを振り返る。

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とぼけた主役のアーサー・デント(マーティン・フリーマン)は決して強い存在感は放っていないが、本作にはマッチしている。

その友達で、タオル好きの、実は宇宙人だったフォード(モス・デフ)。可愛げのあるジェスチャーや動きを繰り出してくるのが自分のツボだったが、前半に多く、後半は少なかった印象。
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昼間っからバーでビールを3杯(しかもパイント)ずつオーダーするアーサーとフォード。隣のおばちゃんの視線の絡ませ方が尋常じゃない。

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宇宙船をヒッチハイクするも、ヴォゴン人に捕えられ、詩の朗読を聞かせられるアーサーとフォード。

詩の朗読が拷問になるという発想もイギリスっぽい。
ヴォゴン人の朗読は世界に3番目に恐ろしいとされ、1番恐ろしいのはイギリス人ジェニングスによるものと。
ネズミが1番賢く、次はイルカ、人間は3番目という話もそうだが、どうでもいい順位づけをしたがるような子どもっぽさが散見される映画だ。

大統領ゼイフォード(サム・ロックウェル)の頭が二つあること、その二つの切り替え方はかなりクールで、何度観ても笑えた。
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頭が2つあるゼイフォード。
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アーサーに蹴りをかまし、ご満悦なゼイフォード。
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大統領の特権を生かして、並ばずにトリリアンの釈放申請を出そうとする三人。通常の釈放申請ではなく、大統領専用の申請書(青い紙)で出すように言われるなど、お役所的なヴォゴン人のキャラクターが出ている。

こういうところも、ネタがコント的。
それ以外でも、うつ気味のロボットであるマーヴィンも、ドラマや原作との絡みもあるのだろうが、今の時代にこのマーヴィンの造形はそぐわないし、鬱も市民権を得すぎていて笑いになりにくい。
開け閉めするたびにため息のような音がでるドアもね……
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このバベルフィッシュを耳に入れると、こいつが通訳してくれる。
進んでるのかそうでもないのかがわかりにくい世界観。ここもゆるい。
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バックアップから地球を戻している現場。エアーズロックの壁を塗ったり、戻し方は意外とレトロ。スラーティバートファースト(ビル・ナイ)の衣装が無駄に豪華。

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ゼイフォード大統領のライバル、ハーマ・カブーラ、はジョン・マルコヴィッチが演じる。下半身の感じが、どことなくMIBっぽい。
ハンカチ教? アーサーが持つタオルといい、変なこだわりが散りばめられている。ジョン・マルコヴィッチはもっと登場シーンを見てみたかった。

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ディープソート。『生命、宇宙、そして万物についての究極の疑問の答え』(The answer to the ultimate question of life, universe and everything )を750万年かけて計算し、その答えは”42″と回答。
「え?何それ?」と誰もが思う摩訶不思議さ。

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ゼイフォードを追いかけてくる、銀河系副大統領のケストゥラー・ロントック(アンナ・チャンセラー)とヴォゴン人。

宇宙人やロボットが多く登場することもあり、シンプルな英語が多く使われている。
銀河ヒッチハイク・ガイドの裏表紙?にも書いてある”DON’T PANIC”や、ヴォゴン人が口にする”Resistance is useless”だったり。
そこは楽しめるポイントとはなっていた。

製作総指揮: ダグラス・アダムス、デレク・エヴァンス、ロビー・スタンプ
製作: ゲーリー・バーバー、ロジャー・バーンボーム、ジョナサン・グリックマン、ニック・ゴールドスミス、ジェイ・ローチ
監督: ガース・ジェニングス
脚本: ダグラス・アダムス、ケイリー・カークパトリック
原作: ダグラス・アダムス
撮影: イゴー・ジャデュー・リロ
美術: ジョエル・コリンズ
音楽: ジョビー・タルボット
衣装: サミー・シェルドン
特撮: ポール・ダン、アンガス・ビッカートン
出演: マーティン・フリーマン(アーサー・フィリップ・デント)、モス・デフ(フォード・プリーフェクト)、サム・ロックウェル(ゼイフォード、銀河帝国大統領)、ズーイー・デシャネル(トリシア・マリー・マクミラン/トリリアン)、ビル・ナイ(スラーティバートファースト)、スティーブン・フライ(ナレーション)、アラン・リックマン(マーヴィン、鬱のロボット、声)、ジョン・マルコヴィッチ(ハーマ・カヴーラ、カルト教伝道師、大統領選でゼイフォードに敗退)、ワーウィック・デイヴィス(マーヴィン、鬱のロボット、動き)、スティーヴ・ペンバートン、アンナ・チャンセラー(ケストゥラー・ロントック、銀河系副大統領)、ヘレン・ミレン(ディープ・ソート、声)、トーマス・レノン(エディ、声)、リチャード・グリフィス、イアン・マクニース
編集: ニーヴン・ハウィー
配給: ブエナビスタ
公開: 2005年4月28日(英)、2005年9月10日(日)
上映時間: 109分
製作費: $50,000,000
興行収入: $104,478,416
キャッチコピー: DON’T PANIC
 
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