taiyouwonusundaotoko

70年代を代表する邦画の一つ。

DVDのパッケージ画像もサイケデリックで、内容がただものじゃないことを期待させる。

沢田研二のクールながらも粘着質な存在感が作品全体を支配しており、独特な質感が味わえる。

ボイスチェンジャーを通してのオカマ口調もハマってるし、トレードマークの長髪もいい。
満員電車の中のつぶれた顔や、教室で居眠りにている顔と、警察での表彰式の時などのスーツで決めた顔のギャップも見事。
原爆が完成して、ラジオで流れているBob Marley「Get Up, Stand Up」に合わせて唄う姿もコミカルなんだけど絵になる。
ドリフに出ていたのもわかる。芸達者。

ラジオのDJ役の池上季実子が、初対面で接している時間も少なく沢田研二に惹かれてしまうのはやや解せない気はしたが、おそらく途中のシーンがカットされたのだろう。
いずれにしても、彼女のキュートさは現れていた。

緒形拳はさすがの迫力。
沢田研二と対峙するシーンは、電話越しであろうと、直接であろうと、完全に相手を呑んでいる。

沢田研二が警察に対して無防備過ぎるが、このほうが話が盛り上がるのだから仕方ないか。

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東京の都市部のシーンでは当時の雰囲気が伝わってきて、あまり知らない時代とはいえ懐かしさを感じた。
駅や喫茶店、そしてデパートの屋上に赤電話が並んでいたり。
野球中継のシーンも、解説者・アナウンサーが中継終わりで、視聴者に「さようなら」と言っていたり。

カーチェイスシーンは思いの外、アクション性豊かだったのに驚き。
沢田研二と池上季実子が乗っていた盗難車マツダのRX7が疾走するのは見ていて気持ちよかった。
池上季実子がサンルーフから上半身出して、上を飛ぶヘリに向かって中継しながら高速を走るのはさすがに無茶な気がしたが。

rx7

端役もなかなか豪華。

バスジャック犯役の役者をどこかで見たことがあるなあと思っていたら、先日観た「放浪記」で友人役として出ていた伊藤雄之助氏だった。wikipediaでは特別出演となっているが、なかなかの怪演で印象深い。

サラ金の取り立ては若くて一瞬本人だと気づきにくい西田敏行だし、拳銃を奪われる交番の巡査はこれまた若い水谷豊。

 
理科の先生が、プルトニウムを盗んで原爆を作って、それをネタに政府や警察にいろんな要求をする。
それだけだと陰湿なストーリーにもなりうるが、沢田研二の芸達者っぷりなところをいかした脚本・演出により悲壮感なく、楽しめる娯楽作品に仕上がっている。

sawadakenji

いやー、悪くない。

監督の長谷川和彦はタダモノじゃないなと思って調べたら、寡作の監督で監督作は二作しかない。もう一作の「青春の殺人者」もいつか観てみたい。

@DVD

製作:山本又一朗
監督:長谷川和彦
脚本:レナード・シュレイダー / 長谷川和彦
原案:レナード・シュレイダー
撮影:鈴木達夫
美術:横尾嘉良
音楽:井上堯之 / 星勝
出演:沢田研二 / 菅原文太 / 池上季実子 / 北村和夫 / 神山繁 / 佐藤慶 / 伊藤雄之助 / 風間杜夫 / 水谷豊