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舞台は小さな農村の今(1999年)と
主演の二人が出会った40年ほど前。
息子の語りで話は進められる。

ストーリーの中心は現在ではなく昔だが、現在が白黒で、過去がカラーという珍しい手法。

カラーの時代に母(ディ。チャン・ツィイーは本作で映画デビュー!)と父(ルオ。チョン・ハオ)は出会って恋に落ち、白黒の今、父が亡くなり、葬儀を数日後に控える。

カラー時代は、ディのルオへの一途な想いがひしひしと伝わってくる、純朴な正統派恋愛映画の趣き。

DVDのパッケージにもあるが、ディは普段から赤やピンクの服を着ている。
ルオはそれを褒めて、赤い服に似合う髪留めをプレゼントするのだが、赤い服が似合うと言ったシーンが良かった。今も昔も、いい男はちゃんと女性の良いところを褒める。

以下、ネタバレあり。

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父が息子に語ったという回想シーンでも、家の前で母に迎えられる情景が一幅の絵のようで一生忘れないと言ったり、教室の梁に巻いてある赤い布を見る度に母を思い出すと言ったり、ルオは戦前生まれの人にもかかわらず、愛情表現が上手だったことがわかる。

ディの表情は魅力的。
洗練されてない走り方も可愛らしい。

そして、話は現在に戻り、母の意を汲み、父母がずっと歩いてきた道を父の棺を担いで運ぶことになる。
当初、隣町の若者に賃金を払って運んでもらおうと思っていたが、歴代の教え子たちが協力して担いでくれることになった。白黒の世界で、雪が降る中、列は続く。

 
本作は、父と母のラブストーリーと、吹雪の中の棺を運ぶ葬式が中心になるのだと思う。
しかし、この2つの要素だけだったら、この映画の評価はそれほどは高くなかったんではないかと思う。

ガツンと効いたのは、教師になってくれるのが父の夢だったと母から聞かされた息子が、翌日子どもたちを学校に集めて一時間だけ国語の授業を行うシーン。朗読したのは父が最初の授業で読んだ父オリジナルの内容。
息子の父への思い、母への思いが感じられて感動した。

タイトルに「初恋」って入ってるのがちょっと微妙だなと思っていたら、中国語の原題は「我的父親母親」、英語の題は「The road home」。
これでポイントが上がった。

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中国版

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英語版

題とパッケージのデザインを比べても、各カルチャーに何が受けるかが違うことがよくわかる。

監督:チャン・イーモウ(張芸謀)
出演:チャン・ツィイー(章子怡)/ スン・ホンレイ(孫紅雷)/ チョン・ハオ(鄭昊)/ チャオ・ユエリン(趙玉蓮)
製作総指揮:チャン・ウェイピン
製作:チャオ・ユイ
脚本・原作:パオ・シー
撮影:ホウ・ヨン
美術:ツァオ・チェウピン
音楽:サン・パオ
衣装:トン・ホアミアオ
 
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