1964年カンヌ国際映画祭グランプリ受賞のミュージカル映画。

それも通常のミュージカル映画と異なり、台詞が全て歌になっているという特異性を持つ。最初しばらくは普通の台詞が恋しくなるが、次第にその世界に慣れていく。

10代のカトリーヌ・ドヌーブは確かに美しいが、それよりも映画の中で印象に残ったのは、役者、特に女優の服装とセットのビビッドな色合い。嫌らしくなく、毒々しくもなくフランス映画らしく爽やかにお洒落に感じられた。

愛を誓った若い二人だが、ギイがアルジェリアに出征に出てしまうと、身ごもったジェヌヴィエーヴのギイへの愛情は次第に薄れ始め、別の人と結婚してしまう。この一連のストーリー、人情の機微は想像できることだし、際だったものは感じなかった。

ハイライトの一つであるラストに近いガソリンスタンドで、二人が偶然再会する。二人の会話、そしてラストへと続く余韻は印象に残るシーンとなった。

もう1つ好きな映像としては、スタート直後のタイトルバックで傘をさす人々を上からのアングルで撮っているシーン。フランス映画ならでは。

総合的には、映像的に印象に残る箇所は多いものの、ストーリーとしてはノーマルなため標準点。

製作:マグ・ボダール
監督・脚本:ジャック・ドゥミ
撮影:ジャン・ラビエ
美術:ベルナール・エヴァン
音楽:ミシェル・ルグラン
出演:カトリーヌ・ドヌーヴ / ニーノ・カステルヌオーヴォ / アンヌ・ヴェルノン / マルク・ミシェル / エレン・ファルナー / ミレーユ・ペレー