thevisit

ホラーはあまり観ない自分だが、これは素直に観てよかったと思える作品だった。

スプラッター系ではない、心理的な怖さが結構来る、良作だ。勧めてくれた友人に感謝。

観終わった後に知ったが、本作の監督はシックス・センスも撮った監督。この作品を撮る直前の2本はホラー以外の作品(どうやらSF系、それも火・水・地etcといった東洋的古典SFの世界が好きらしい)を創ったが大コケで、本作でホラーに回帰したらしい。

子どもたちが主人公だが、その子どもたちと一緒にゾワっとする感覚を共有できる具合がうまい。

「ヴィジット」のあらすじ

cs/ベッカとタイラーの姉弟はママが仲違いの末に駆け落ち同然で家出したため音信不通だったお祖父ちゃんとお祖母ちゃんから連絡を受けて1週間の休暇を利用し2人だけでペンシルバニア州メイソンビルへ向かった。駅で2人を出迎えてくれた祖父母はすごく優しそう。楽しい休暇が始まる予感に姉弟も心弾むのであったが…
wp/シングルマザーに育てられている15歳の姉ベッカと13歳の弟タイラーは、祖父母から休暇を利用して遊びに来ないかとの誘いを受ける。2人はペンシルバニアの祖父母の家で1週間を過ごすことになる。初めて対面する祖父母に最初は緊張したものの、優しい祖父母と美味しい料理に2人は大喜びし、すっかり意気投合する。ただ、祖父母からは、「楽しい時間を過ごすこと」、「好きなものは遠慮なく食べること」、「夜9時半以降は部屋から絶対に出ないこと」という3つの約束を守るように言い渡される。しかし、夜中になると、家の中には異様な気配が漂い、不気味な物音が響き渡る。それに恐怖を覚えた2人は、開けてはいけないと言われた部屋のドアを開けてしまう…。

撮影スタイルはPOV(Point of View Shot)といわれる、登場人物の手持ちスタイル。今となっては珍しくない手法なのだろうが、私自身はホラーに明るくないこともあり、臨場感があり、新鮮ではあった。ところどころカメラワークがうま過ぎるのが不自然で気にはなったが。

以下、ネタバレも含みつつ、印象に残ったシーンを振り返る。

 - ad -

主人公の姉弟は二人ともチャーミング。

thevisit_02
駅に迎えに来てくれた祖父母と初対面のタイラー(エド・オクセンボウルド)。まさかこの数日後にあんなことになるとは…と想像すると楽しくなるショット。
thevisit_03
オシャレなベッカ(オリヴィア・デヨング)。
thevisit_04
まだ楽しんでいる頃の二人。POVが新鮮。

最初は普通に見えた祖父母だが、少しずつ、変なところが露わになっていく。
thevisit_07
床下で姉弟で遊んでいると、膝をすりむくことなど微塵も気にせず猛烈なスピードで追っかけてくる婆さん。ゾワっとさせられる。
thevisit_06
ベッカにオーブンの奥の掃除をしきりにさせようとする婆さん。怖い。
thevisit_01
後ろから迫ってくる婆さんが怖い。それを鏡越しに撮るというPOVスタイル。
thevisit_05
恐怖のピークはこれ。この映画の怖さを引っ張ったMVPは間違いなく婆さん役のディアナ・デュナガン。
ばあさんの顔、動き、暗闇での光の当て方など、ぬかりなく、心底ゾッとさせられる。

リビングに仕込んであったカメラもあっさり見つかり。包丁を持って子どもたちの部屋をノックする姿が発する狂気は見応えあり。

後々判明するが、この老人二人は精神病院から抜け出してきて、もともと住んでいた老夫妻を殺害し、そこに住み、そしらぬ顔で初めて会う孫の二人を迎えているという設定。

子どもたちの親と、祖父母は昔のいざこざで長年音信不通、家に写真も飾ってないから、彼らに祖父母の顔はわからない。
ついてしばらくの間、子どもたちと母親はskype的なもので映像つきで会話をしているが、母親と祖父母の関係性もあってか、電話で話したりはしない。
そこが上手い。
thevisit_09
ほぼパソコン越しにしか登場しない母親(キャスリン・ハーン)。

おまえのことは嫌いだと、子どもたちに向かって言う、老夫妻。地味に怖いし、嫌な気持ちにもなる。

威勢のよかった子どもたちだが、父親が家を出て行ってしまったという負い目から、弟は潔癖症で、かつ、極度の緊張下では身体が動かなくなってしまう。姉は自分自身を鏡で見ることができない。

老父母に追い詰められた二人だったが、最後力を振り絞って反撃する様には、胸がスカっとさせられた。

thevisit_08
つかの間の笑いを提供してくれたラッパータイラー。ラストの、自分らの身に降りかかったことを歌ったラップもクールだった。

低予算であろうと、撮り方、演出ひとつでやり方はいろいろあるということがよくわかる作品。

最後に、バージョン違いのチラシ・DVDパッケージデザインを紹介。
thevisit_jp
日本語版。あの『シックス・センス』のシャマラン監督作だということを猛アピール。ちと恥ずかしい…

製作総指揮: スティーヴン・シュナイダー
製作: ジェイソン・ブラム、マーク・ビエンストック、M・ナイト・シャマラン
監督: M・ナイト・シャマラン
脚本: M・ナイト・シャマラン
撮影: マリース・アルベルティ
美術: ナーマン・マーシャル
衣装: エイミー・ウェストコット
出演: オリヴィア・デヨング(ベッカ)、エド・オクセンボウルド(タイラー)、ディアナ・デュナガン(祖母)、ピーター・マクロビー(祖父)、キャスリン・ハーン(ママ)、セリア・キーナン・ボルガー(ステイシー、隣人の女性)、ベンジャミン・カンズ(パパ、想い出映像のみに登場)
編集: ルーク・シアオキ
製作会社: ブラムハウス・プロダクションズ
配給: ユニバーサル・ピクチャーズ(米)、東宝東和(日)
公開: 2015年9月11日(米)、2015年10月23日(日)
上映時間: 94分
製作費: $5,000,000
興行収入: $87,416,501(内、日本で7,000万円)
 
@Amazon Prime Video