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厳密には「演劇」ではなく「コント」なのかもしれないが、一応「演劇評」のジャンルに入れておく。

久しぶりのU1グランプリ。
今までの2007年『取調室』、2008年『厨房』、2010年『職員室』はいずれも観ている。
ただ、「取調室」の時の面白さが以降の作で消えていることでここ数年遠ざかっており、CASE04が出ていることすら最近まで知らなかった。

今回ふと思い出して、手にとることに。

 
結論から言うと、馴染めなかった

時間が何年経とうが、面白さの感覚が全然違うんだなということを再認識させられた。
TVで数あるお笑い番組を見ていても、たいがいは面白い面白くないの感覚はそんなに作り手とずれない気がするんだが、マギー氏の作演出に関しては、感覚が離れ過ぎていてまったく笑えない。

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とはいえ、ジョビジョバの頃から注目していたこともあり、どういう感覚で氏が作っているのか知りたくて、コメンタリーまで聞いてしまった。
しかし、それでわかったのは福田さんがマギーをかっていることだけだった。
一緒に何作もやってるんだから、そりゃそうなんだろう。

ドリフ的な笑い?? いやいやそれはドリフに失礼。
ドリフは時代が経った今ですら、大人が見ても笑えるコントはいくらでもある。

確かにマギーには瞬発力があるとは思うんだけど、それはあくまでも演じ手としてだと思う。俯瞰して見る力があるとは到底思えない。

今回のなかで、唯一笑えたのは、福田さんがアトムに扮して登場するコント。
この福田さんとマギーの絡みは悪くないし、なんといっても福田さんのビジュアルと動きが秀逸。
しかし、果たして彼らがそれに気づいてるのか、コメンタリーを聞いていても疑問ではある。

コメンタリーで、福田さん&坂田氏が褒めているように、マギーの拾う力の高さが生きているコントではある。
このコントについてはほぼリハーサルなしで臨んでいるらしいが、それが奏功しているようにも思える。

他の役者が、このコントを長く感じているらしいが、他のコントより時間が長かろうが、面白ければ時間なんて感じない。他の役者(というか坂田氏?)もこの作品の「笑い」に染まっているのだなと嘆息。

ただ、このコントもオチの部分がもったいない気はした。

出演者で目をひいたのは、演技を頑張っていた高橋真唯と、動きで魅せるジューシーズの太っちょくん(赤羽健一)。赤羽くんがコメンタリーではダメ出しされていたが、あのコントが笑える要因の一つとして彼の動きや存在感があるのは間違いない。

結局のところ、笑いって考えて作れるものでもない、難しいものなんだろう。
この世界に携わっているプロにとっても。

間がずれたら笑えないとか、コントによってはあるだろうが、本当に笑えるものはそういうのは関係ないということを強く認識させてくれた。

笑いとは何ぞや。
考えさせてくれる作品ではあった。

脚本・演出: 福田雄一、マギー
出演: マギー、池谷のぶえ、高橋真唯、ジューシーズ(赤羽健一、児玉智洋、松橋周太呂)、坂田聡、福田雄一
舞台監督: 津江健太、至福団
照明: 伊藤孝
舞台美術: 佐々木記貴
音響: 尾林真理
音楽: 割田康彦
音楽録音: 藤原暢之
映像: ムーチョ村松
衣裳: 神波憲人
小道具: 藤井純子
制作: 牛山晃一
 
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